対ロシア借款の焦げ付き深刻、5年間で93億円(下)

 12年後の2003年になって、韓国政府はLIBORプラス0.5%、23年分割償還という条件でロシアと再協定を結んだ。金利軽減に応じた上に、償還期限も大幅に繰り延べた。

 韓国政府はその後、04年3月に年5.3%の金利で国債を発行し、市中銀行に元利金16億6000万ドル(約1450億円)を返済した。そして、ロシアから毎年元利金の返済を受け、国債の償還に充てている。しかし、ここでも逆ざやが生じている。韓国政府が発行した国債の金利に比べ、ロシアから受け取る金利がはるかに低いためだ。昨年の場合は、LIBOR(1.26%)に0.5%を上乗せした1.76%にすぎなかった。この結果、金利差による損失が毎年200億ウォン(約16億円)以上発生している。

 韓国政府は毎年発生する損失を国民の税金で埋め合わせている。償還期限の2025年までに総額6000億ウォン(約465億円)以上の損失が税金で補てんされる見通しだ。6000億ウォンは、韓国の私立大学に通う学生8万人の1年分の授業料に相当する金額だ。しかし、これといった対策はないのが悩みの種だ。

 韓国政府関係者は「昨年は世界的に低金利基調が続き、LIBORも低下したため、金利逆ざやは拡大した。韓国とロシアが国家レベルで結んだ決定のため、今になって撤回は難しい」と指摘した。

崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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