梶浦由記によるサウンドプロジェクト・FictionJunctionがニューシングル「時の向こう 幻の空」を1月27日にリリースした。
竜騎士07氏原案によるTVアニメ『おおかみかくし』のOPテーマになっている同作は、KAORI,KEIKO,WAKNA,YURIKO KAIDAの、4人の歌姫それぞれがメインボーカルを入れ替わりで担当することで、新たな一面をみせた楽曲。これまで同様に緻密な構成が、衝撃的なリリックとの相乗効果を産み、作品のテーマとリンクしつつ、より広範な意味で人生観にも踏み込んだ傑作曲となった。
カップリングの「野原」はKEIKOのボーカルをフィーチャーしたバラード。歌姫達のコーラスワークが美しく、こちらもじっくり聴きたい1曲になっている。
5月からは全国ツアー『Yuki KajiuraLIVEvol.#6』も決定したFictionJunction。今回は歌姫からKAORIが登場。“梶浦サウンド”の魅力をたっぷり聞いた。そして梶浦由記本人にもアンケートを実施。そちらも必読だ!(敬称略)
●4人のハモリはコーラスではなくて、互いに主張しあう新しいボーカルスタイルなんです
――新曲は、TVアニメ『おおかみかくし』のOP曲。アニメはご覧になりましたか?
KAORI:リアルタイムで観てます。学園モノの要素とコミカルな部分もあって楽しいけど、秘密を知ったらもう戻れないような怖さもあって、先がとても気になります。OP映像にも、物語のキーになるようなパーツが散りばめられていて、歌詞も作品の世界観をイメージさせて、本編につながっていくので、何が始まるのか、わくわくします。
――「時の向こう 幻の空」はどんな曲ですか?
KAORI:4人で歌ったシングルは2枚目になります。「Parallel Hearts」から4人で歌う意味が明確になってきて、今回も、曲をいただいた時に歌うパートの担当もすぐに理解、納得できました。4人の良さや個性が前面に出ていると思います。
――アクロバティックなボーカルワークで、大胆かつ緻密な楽曲だなと。
KAORI:コーラスとして溶け込ませるというより、「今、私がハモってますよ」とそれぞれが主張していくようで、歌っていても楽しかったです。
―― “惨劇の行方”や“惨劇の空”などインパクトがある歌詞は重めですよね。竜騎士07氏の作品らしくて。
KAORI:“惨劇”って日常生活では実感する機会はないですが、梶浦さんが「生きることは惨劇である」とおっしゃってたんです。確かに、自分とオーバーラップすることもあって、心に衝撃をもたらすようなこと、鮮烈なことや残酷なことは、日々起こっているんですよね。作品の世界を描きながらも私達の人生にもあてはまる……梶浦さんの歌詞から気付かされることが多いですね。深いです。
――“in the land of pain”でも生きていくこと、進んでいくことは、痛みを伴うんだと諭されているようです。物語の行く末を暗示しているようにも感じますし。
KAORI:そう解釈して頂いても良いと思いますが、作品をご覧になっている皆さんそれぞれが、物語が進んでいく過程で分かったり、感じたりする事だと思いますので、今の段階では答えが出せないですね。
集計期間 : 10/02/02~10/02/08