「良貨」で「悪貨」を駆逐せよ ── この国のかたちを考える(その1)
2010年02月15日14時40分 / 提供:THE JOURNAL
勇気をもって「良貨で悪貨を駆逐」しなければならない。2月4日、石川知裕衆議院議員、大久保公設秘書、池田元私設秘書が逮捕された日、横浜地裁で、横浜事件の刑事補償について、「警察、検察、裁判所の故意、過失は重大」と厳しく批判し、国の責任を認めて元被告人の遺族に4700万円の損害賠償を命じ、実質無罪とする刮目すべき判決があった。
横浜事件とは、1942年〜45年、「国体護持」(注:国体とは天皇主権国家のことで、実体は明治以来、「天皇の官僚」として、天皇の名のもとに作りあげた絶対的権限を持つ官僚組織のこと。政党政治を否定する反民主的な統治形態である。それを引き継いでいるのが今の特捜など「霞ヶ関」だ)を名分に特別高等警察(特高)が、思い込みと実績づくりを競わせるために事件をでっち上げ、改造社、中央公論、岩波書店、朝日新聞の編集者などリベラルな知識人60人余りを、治安維持法違反で逮捕・投獄して、時代劇よりも酷い拷問で自白を強要し、また、「改造」「中央公論」を廃刊に追い込んだ戦時下最大の言論弾圧事件である。私の友人の許婚者は拷問により獄死した。戦後、元被告人や遺族が、名誉回復のため無罪判決を求めて再三にわたり再審請求をしたが、「司法」の壁は厚く、最高裁は2008年3月14日、無罪判決を求める上告を棄却し、「免訴」とした。「免訴」とは、わかりやすく言えば、「治安維持法は廃止されており、いまさら無罪だ有罪だと争ってもしょうがない。国の責任を云々されても迷惑だから裁判を打ち切る」ということである。許婚者を獄中に失った友人は「司法の質の劣化は目を覆うばかりですね」とため息をついていた。
8日、マスコミ各社が世論調査を振りかざし、小沢辞任をヒステッリクに煽っている最中に友人のノンフィクション作家から電話があった。
「私は小沢ファンでもないし、民主党支持者でもない。しかし、今日の世論調査を見て、がっかりした。国民のレベルは相当に劣化している。戦時中、『鬼畜米英ぶっ殺せ』と叫んだ精神構造と同じだ。『小沢問題』の一連の報道が『小沢追い落としのための検察のリークだ』くらいのことは察知出来なけりゃ。『検察はつねに正義』だなどと、はなから思いこんでいる、オメデタイ人間は、世界中探しても日本人だけだろう。検察は、『霞ヶ関』の敵であり、『愛しい自民党』を奈落の底に叩きこんだ憎っくき小沢を叩きつぶしたい、そのためには、アメとムチでマスコミを自家薬籠中のものにし、小沢を『極悪人』に仕立て上げる以外にない、と考えたのだろう。全体主義国家の常套手段だ。テレビは視聴率さえ上がれば広告収入は増えるし、親会社の新聞社も、テレビと共同して『小沢叩き』に精を出せば、検察や『霞ヶ関』の覚えもよくなるだけでなく、万が一にも自民党政権が復活すれば、恩を売れるというわけだ。ジャーナリズムの良心なんてひとかけらもない。悪代官と手を握った目明かしとかわら版屋だ」と手厳しい。
今年に入ってからの動きがおかしすぎる。主要紙元旦号は、あたかも談合したかのように、小沢が刑事被告人になることを予告するような報道で足並みをそろえた。奇怪なのは、13日の地検の動きである、この日は「西松問題」で大久保公設秘書の公判が開かれ、検察側証人として岡崎彰文西松建設元取締役総務部長が、特捜のシナリオどおり「ふたつの団体は西松のダミーであることを大久保は承知していた」と証言することになっていた。そのことを担保するために、特捜は目付役として「関西検察のドン」、元大阪高検検事長・逢坂貞夫を社外取締役として昨年6月に、西松に送り込んだのである(注:法務省に問い合わせたところ、「マスコミの報道で承知しているが、当省としては、把握していない」との回答だった)。そして、それに符節を合わせて同日、陸山会、石川事務所などの家宅捜索を、テレビを通して全国にたれ流し、「小沢事務所を捜査」「大久保、ダミーを認める」など、派手な見出しで、小沢を一気に幹事長辞任に追い込むシナリオを描いていた。ところが、あろうことか、岡崎元総務部長は、「政治団体は西松建設の友好団体であり、ダミーではない。事務所も会社とは別で、家賃も給料も団体側が払っている」と証言したのである。これは、シナリオが狂ったというものではない。昨年3月、大久保を逮捕・起訴した根拠そのものが否定されたのである。これでは大久保が無罪になるだけでなく、小沢が「清廉潔白」であることを立証することになると危機感を抱き、検察が不当捜査とその失敗をごまかすために打った悪あがきの大バクチが、石川ら三人の逮捕である。
横浜事件とは、1942年〜45年、「国体護持」(注:国体とは天皇主権国家のことで、実体は明治以来、「天皇の官僚」として、天皇の名のもとに作りあげた絶対的権限を持つ官僚組織のこと。政党政治を否定する反民主的な統治形態である。それを引き継いでいるのが今の特捜など「霞ヶ関」だ)を名分に特別高等警察(特高)が、思い込みと実績づくりを競わせるために事件をでっち上げ、改造社、中央公論、岩波書店、朝日新聞の編集者などリベラルな知識人60人余りを、治安維持法違反で逮捕・投獄して、時代劇よりも酷い拷問で自白を強要し、また、「改造」「中央公論」を廃刊に追い込んだ戦時下最大の言論弾圧事件である。私の友人の許婚者は拷問により獄死した。戦後、元被告人や遺族が、名誉回復のため無罪判決を求めて再三にわたり再審請求をしたが、「司法」の壁は厚く、最高裁は2008年3月14日、無罪判決を求める上告を棄却し、「免訴」とした。「免訴」とは、わかりやすく言えば、「治安維持法は廃止されており、いまさら無罪だ有罪だと争ってもしょうがない。国の責任を云々されても迷惑だから裁判を打ち切る」ということである。許婚者を獄中に失った友人は「司法の質の劣化は目を覆うばかりですね」とため息をついていた。
8日、マスコミ各社が世論調査を振りかざし、小沢辞任をヒステッリクに煽っている最中に友人のノンフィクション作家から電話があった。
「私は小沢ファンでもないし、民主党支持者でもない。しかし、今日の世論調査を見て、がっかりした。国民のレベルは相当に劣化している。戦時中、『鬼畜米英ぶっ殺せ』と叫んだ精神構造と同じだ。『小沢問題』の一連の報道が『小沢追い落としのための検察のリークだ』くらいのことは察知出来なけりゃ。『検察はつねに正義』だなどと、はなから思いこんでいる、オメデタイ人間は、世界中探しても日本人だけだろう。検察は、『霞ヶ関』の敵であり、『愛しい自民党』を奈落の底に叩きこんだ憎っくき小沢を叩きつぶしたい、そのためには、アメとムチでマスコミを自家薬籠中のものにし、小沢を『極悪人』に仕立て上げる以外にない、と考えたのだろう。全体主義国家の常套手段だ。テレビは視聴率さえ上がれば広告収入は増えるし、親会社の新聞社も、テレビと共同して『小沢叩き』に精を出せば、検察や『霞ヶ関』の覚えもよくなるだけでなく、万が一にも自民党政権が復活すれば、恩を売れるというわけだ。ジャーナリズムの良心なんてひとかけらもない。悪代官と手を握った目明かしとかわら版屋だ」と手厳しい。
今年に入ってからの動きがおかしすぎる。主要紙元旦号は、あたかも談合したかのように、小沢が刑事被告人になることを予告するような報道で足並みをそろえた。奇怪なのは、13日の地検の動きである、この日は「西松問題」で大久保公設秘書の公判が開かれ、検察側証人として岡崎彰文西松建設元取締役総務部長が、特捜のシナリオどおり「ふたつの団体は西松のダミーであることを大久保は承知していた」と証言することになっていた。そのことを担保するために、特捜は目付役として「関西検察のドン」、元大阪高検検事長・逢坂貞夫を社外取締役として昨年6月に、西松に送り込んだのである(注:法務省に問い合わせたところ、「マスコミの報道で承知しているが、当省としては、把握していない」との回答だった)。そして、それに符節を合わせて同日、陸山会、石川事務所などの家宅捜索を、テレビを通して全国にたれ流し、「小沢事務所を捜査」「大久保、ダミーを認める」など、派手な見出しで、小沢を一気に幹事長辞任に追い込むシナリオを描いていた。ところが、あろうことか、岡崎元総務部長は、「政治団体は西松建設の友好団体であり、ダミーではない。事務所も会社とは別で、家賃も給料も団体側が払っている」と証言したのである。これは、シナリオが狂ったというものではない。昨年3月、大久保を逮捕・起訴した根拠そのものが否定されたのである。これでは大久保が無罪になるだけでなく、小沢が「清廉潔白」であることを立証することになると危機感を抱き、検察が不当捜査とその失敗をごまかすために打った悪あがきの大バクチが、石川ら三人の逮捕である。
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