【ワシントン=尾形聡彦、ニューヨーク=丸石伸一】トヨタ自動車の車が急加速するという苦情が米国で多発している問題で、同社が米議会に「電子制御システムに問題はない」と回答していたことが12日、分かった。電子制御の不具合の有無は、米議会や米当局が追及する焦点の一つで、トヨタは2月下旬の米議会公聴会でも、不具合を否定する見通しだ。
米下院の監督・政府改革委員会が12日、トヨタからの書簡を公開した。
同委員会が事前に「急加速問題では、電子制御上の問題はないのか」と尋ねていたのに対し、トヨタは「電子制御スロットルシステム(ETCSi)は、意図しない加速の原因ではない」と答えた。
トヨタは外部の技術コンサルティング会社に委託し、トヨタ車とレクサス車で、ETCSiが原因の急加速が起こるかどうかを検証。その結果、急加速は確認されなかったという。
またトヨタは、安全対策強化のため、ブレーキとアクセルを同時に踏んだ場合にブレーキを優先する仕組みを2010年末までに大半の車種に導入する考えも表明した。
トヨタ車の急加速を巡っては、フロアマットにアクセルペダルが引っかかったり、アクセルペダルそのものが戻りにくくなったりする場合があるとして、トヨタは米国でこれまでカローラやカムリなどのリコールを実施している。
一方で、トヨタは電子制御上の不具合は一貫して否定してきた。米運輸省は2月上旬に、電子制御上の問題も含めて調査していることを公表。米議会の公聴会の際にトヨタがどう対応するか注目されていた。