北教組の家宅捜索で、押収した資料を運ぶ札幌地検の係官=15日午後9時25分、札幌市中央区、葛谷晋吾撮影
民主党の小林千代美衆院議員=北海道5区=側が、北海道教職員組合(北教組)側から違法な選挙費用を受け取っていたとされる問題で、当時の北教組委員長らから小林氏の陣営に400万円ずつ4回に分け、総額1600万円が渡されていたことが、捜査関係者などへの取材で分かった。札幌地検は15日、札幌市内の北教組本部などを政治資金規正法違反(企業・団体献金の禁止)容疑で家宅捜索した。
労組出身の小林氏の陣営では2009年8月の衆院選に向け、支持団体の北教組委員長(当時)が選対委員長を務めていたが、同年6月に死去したため、後任に北教組副委員長(同)が就いた。
捜査関係者などによると、北教組の委員長と副委員長は08年冬ごろから09年夏ごろまでの間に400万円ずつ4回に分けて、計1600万円を小林陣営に提供していたという。
これらの資金は北教組の裏金から出された疑いがあり、事務所の維持費など、陣営の選挙費用に使われた可能性があるという。札幌地検はこの資金提供が、政治家個人への企業・団体献金を禁じた政治資金規正法に違反した疑いがあるとみている。
小林氏は15日の朝日新聞の取材に「事実関係が全く分からない。資金のやりとりは、選対と総支部に任せきりだった。事態の真偽がはっきりしていないので何も申し上げようがない。私としては政治資金規正法、公職選挙法に基づいて処理されていると思っている」と話している。
小林氏は00年衆院選から同区で立候補。自民党の町村信孝・元官房長官に3回続けて小選挙区で敗れたが、昨夏の衆院選で約3万票差をつけて当選した。