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【サッカー】

韓国に屈辱逆転負け サポーター 岡田監督解任を要求

2010年2月15日 紙面から

サポーターが掲げた岡田監督に批判的な横断幕(河口貞史撮影)

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◇東アジア選手権・韓国戦

 これでW杯を戦えるのか!?サッカーの東アジア選手権最終日は14日、東京・国立競技場で行われ、初優勝を狙う日本代表は1−3で宿敵の韓国に敗れた。MF遠藤保仁(G大阪)がPKによる先制ゴールを決めたが、その後はあっさりと逆転を許し、反撃の手を打てないまま黒星を喫した。6月開幕のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に出場しない中国が優勝を飾り、日本は屈辱的な3位。南アでの戦いに暗雲が漂った。

 スタンドから物が投げ付けられなかっただけマシかもしれない。ホーム側のゴール裏に「岡チャン不合格 決断セヨ サッカー協会」の段幕。アウェー側に掲げられていた「世界4強」の応援旗も、いつの間にか上下逆さまになっていた。指揮官の手腕を問う批判の声は、ついに臨界点を突破した。惨敗を目の当たりにした観衆4万人超の“解任要求”で充満していた。

 「優勝を掲げながらできなかった。本当に申し訳ない」。大風呂敷を広げながら、何も包めなかった指揮官が謝罪の言葉を並べる。親善試合のベネズエラ戦、今大会の中国、香港戦とここまで3戦で凡戦を連発。それでも、「がっぷり四つの試合ができるだろう。楽しみ」と、この一戦に期待していたのは岡田監督自身だ。序盤は確かにペースは握った。重圧をかけ、ボールを奪うまではいい。だが、そこからシュートに持ち込むことはほとんどできなかった。

 前半は遠藤のPKを除けば、中村のミドル弾が1本あっただけ。指揮官は「つなぐ意識が強すぎた。外に起点もつくれなかった。悪い癖が出た」と話したが、その言葉こそが何も改善されていない証拠だ。球際の競り合いでも韓国の強い精神力につぶされる。10人同士になった後にも再び失点。テンポとかリズムとか、コンディションの問題ではない。もはや実力相応の力負けだ。

 「甘んじて批判は受けるが、海外組が1人、2人入れば前進できる」と、唯一の解決策を見いだす指揮官。「私の進退問題は契約上、協会に権利があって会長と技術委員長が判断してくれる。私は選手が付いてくる限りは投げ出さない」とも強調した。だが協会も決して満足しているわけではない。岡田監督の周辺に不穏な気配が漂っている。 (上條憲也)

 

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