決勝の滑走を終え安堵の表情を見せる上村愛子=サイプレスマウンテン(撮影・立川洋一郎)
「どうして、一段一段なんだろう」-バンクーバー五輪女子モーグルでメダルまであと一歩、4位での入賞を果たした上村愛子(30)=北野建設=はそう言って記者会見で悔し涙を流した。しかし、愛子よ、胸を張れ。悲願のメダルにはあと一歩、あと一歩届かなかったが、堂々の4位に日本列島は沸き、感動に包まれた。
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初出場の長野五輪の7位以降、6位、5位、4位と大会ごとに順位という階段をひとつずつ上ってきた上村。14日、芸能界にも感動の輪が広がった。
都内で主演映画「今度は愛妻家」(行定勲監督、公開中)のイベントに出席した女優の薬師丸ひろ子(45)は「年を重ねながらレベルを上げたことが素晴らしい」と健闘をたたえた上で「(メダルを逃したと言う人には)じゃあ、あなたが滑ってみたら、と言いたい」と心強く、温かい言葉を送った。
テレビで応援していたという共演の豊川悦司(47)は「表情が神々しくて、勇気をもらえた」と興奮冷めやらぬ表情。行定監督も「(メダルが獲れなかったといって)あんまり残念がるのはよくない。世界の4位なんてありえない、すごいこと。メダルなんかどうでもいいんです!」と最大級の賛辞でたたえた。