連載

永山昌克インタビュー連載:大都会にも大自然にも似合う“男のカメラ”――「EXILIM G EX-G1」開発者に聞く (3/3)

前のページへ 1|2|3       

堅牢性とファッション性を持つ男子カメラ

――防水・防塵・耐衝撃・耐低温の性能は、どの程度まで実現していますか?

宮坂氏: 防水には実は2種類の規格があるのですが、EX-G1では、水深3メートルでの水中撮影が可能なJIS/IEC防水保護等級8級(IPX8)相当に加えて、噴流に対する防水性として、6級(IPX6)相当を実現しています。激流や水蒸気が吹き付ける中で、仕事や調査などを行う用途にも耐える性能といえます。また、粉じんの侵入を防ぐJIS/IEC防じん保護等級6級(IP6X)相当の防塵性と、−10℃でも動作する耐低温性も実現しました。耐衝撃性については、国内に統一規格がないのですが、他社製品をしのぐ、高さ2.13メートルからの落下に耐える性能があります。

長山氏: ただ、このスペックにまだまだ納得したわけでなく、将来的にはさらに強じんな性能を持つ、よりプロフェッショナルなツールも考えたいと思っています。

photo 純正オプションとして、フロートストラップ(上)や、カラビナ/ネックストラップ(下)、ソフトケース(中央)、アームバンド付きソフトケース(右)などがそろう

――EX-G1はどんなカメラですか? どんなシーンで、どんなユーザーに使って欲しいですか?

宮坂氏: 撮りたいと感じた時にはどこでも使えるカメラをめざし、例えばAFの合焦時間にもこだわって作り込み、0.24秒という短い時間を実現しています。シチュエーションにこだわらず、どこででも使って下さい。私のような会社勤めの人なら、平日はスーツの胸ポケットに入れて持ち歩き、週末はアウトドアにそのまま持って行くといった使い方も可能です。

橋本氏: 環境を気にせず、常にシャッターチャンスを狙えるカメラです。特徴が際立ったカメラではありますが、一時的な流行ではなく、末永く浸透し、なおかつ先端の存在になることを意識して仕上げました。

長山氏: 当社のEXILIMシリーズの中にもありますが、薄ピンクのカラーバリエーションに象徴される、女子向けのデジカメが最近のちょっとした流行りです。しかし、EX-G1はその逆で、個人的には「男の子に使って欲しい」というメッセージを込めています。極端に言えば、女子向けばかりの最近の風潮には少々うんざりした気持ちがあり、草食系男子と呼ばれる人たちも、もっと奮起して欲しいですね。デザイン設計のスタンスとしては、女子に使わせることは一切イメージせず、男子のための男向けのカメラをめざしました。

photo パッケージデザインにも凝っている

――今後の展開についてお聞かせ下さい。

長山氏: デジカメ市場にはトレンド的なスペックがあり、1社が出したら、他社も同様の製品を出さなければならないという傾向があります。しかし、そればかりではどのメーカーのどの製品も、似たような顔になってしまいます。だからこそ今後は、当社にとっての役割りや得意分野が何なのか、しっかりと見つめることが大切だと思います。

 一眼レフを作っていない当社の得意分野の1つは、あらゆるユーザーセグメンテーションに向けた、それぞれのライフスタイルに沿った商品開発です。なんとなく女性向けといった曖昧なものではなく、仮に女性向けなら、こういうスタイルの、こういうファッションの、こういう趣味を持つという細かい部分にまで切り込んだ、その人向けの商品開発をしていきたいですね。絞り込んだコアなターゲットかもしれませんが、特定のニーズやターゲットに確実に響く商品開発やデザイン開発こそが重要になると考えます。そんな表現の第一弾が、このEX-G1なのです。

photo ファッションで選ぶカメラがあってもいいでしょう。EX-G1は、着替えるようにカメラを選ぶ、そんな役割も狙っています(長山氏)
前のページへ 1|2|3       

Copyright© 2010 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


Special

おすすめPC情報テキスト

モバイルショップ

ノートモデルが続々と新発売
Core i7搭載ハイエンドノートから激安ネットブックまで!

新型Core i5/i3搭載PC発売開始!
HD再生も可能なグラフィックス・コアを備えた最新モデル!

キャリアアップ

ピックアップ

news009.jpg 価格比較:高級コンパクトデジカメ09年秋冬モデル、価格を比較
年末商戦向けに展開されている、各社高級コンパクトデジカメの価格を比較した。注目されるのはあえて高画素化の道を選択しなかったモデルだ。

index.jpg ビデオカメラ特集
デジタルビデオカメラは既に“フルHDは当たり前”となってきた。最新機種のレビューでフルHDに次ぐ、新たな選択肢を探してみよう。

news021.jpg 価格比較:「1万チョイまで」で幸せになるカナル型イヤフォン16選
ポータブルオーディオの最も簡単かつ効果的なチューニングはイヤフォンの変更。最近ではバリエーションも充実しており、ちょっと財布のひもを緩めればシアワセになれる。今回は人気のカナル型を集めてみた。

news022.jpg 価格比較:夏の水辺はコレで撮る――今夏の防水デジカメ徹底チェック(後編)
今年は防水デジカメの当たり年。今シーズンに登場した防水デジカメの仕様と価格を比較する。

news065.jpg 価格比較:高級コンパクトデジカメ、価格を比較
最近ではハイビジョン動画や個人認識、さらには超高速連写など、デジタルであることを前面に押し出した製品も増えているが、“撮ることの楽しさ”を前面に押し出した高級コンパクトデジカメもいちジャンルを築いている。各社製品の価格を比較した。

news097.jpg 価格比較:充実のエントリーデジタル一眼、価格を比較
最新のエントリー向けデジタル一眼は撮像素子も10メガを越えたほか、ライブビューやHD動画機能なども備えており、その充実ぶりは目を見張る。お買い得感の高いダブルズームキットで価格を比較した。

news102.jpg 価格比較:ハイアマ向けミドルクラス一眼、価格を比較
撮像素子はAPS-Cサイズながら、各種装備やスペックを充実させた中級デジタル一眼レフの価格を比較した。エントリー向けに比べやや高価にはなるが、いわゆる写真愛好家を対象とした製品だけに、充実した製品がそろっている。

news063.jpg 価格比較:あこがれを手に入れる、フルサイズ一眼の価格を比較
これまでフルサイズ機といえば、プロ向けの高価な製品しか存在していなかったが、今では少し背伸びをすれば狙える。とはいえまだまだ高価。最新価格のチェックは欠かさずにいたい。

news038.jpg 価格比較:エコポイント活用、ハイエンド機も充実の50V型以上テレビ価格一覧
50V型以上ともなると、各社のハイエンドモデルと録画機能付きテレビのオンパレード。プラズマテレビも選択肢が増え、画質・機能ともに充実した製品が並ぶ。

news098.jpg 価格比較:エコポイント活用、満足度の高い46V/47V型テレビ価格一覧
“価格比較”3回目は、46V型と47V型に注目。液晶テレビではプレミアムモデルの比率が高まり、プラズマテレビも選択肢が増えてくる。画質や機能は欲ばりたいが、出費はなるべく抑えたい――そんな人にぴったりのサイズだ。

news111.jpg 価格比較:エコポイント活用、売れ筋40V/42V型テレビ価格一覧
売れ筋の40V型、42V型の薄型テレビからエコポイント対象製品を取り上げ、実売価格を比較する。エコポイントは2万3000点。

news073.jpg 価格比較:エコポイント活用、最新37V型テレビの価格一覧
前回の40V型/42V型に続き、今回は1まわり小さい37V型を取り上げる。最新注目機種の中から、エコポイント対象製品をピックアップ。

news104.jpg 価格比較:エコポイント活用、録画対応モデルも充実の32V型テレビ価格一覧
リビングルームのメインテレビとして、また書斎や寝室におくパーソナルテレビとしても注目される32V型液晶テレビ。ここ1年ほどで倍速駆動や録画機能を備えた製品が増えているのも特徴だ。今回は各社のエコポイント対応製品16機種をリストアップ。

news092.jpg 価格比較:エコポイント活用、個室にちょうどいい26V型以下の液晶テレビを比較
パーソナルサイズと位置づけられる26V型以下だが、最近は上位モデルの機能を一部取り込む形で個性的な製品が増えている。個室やベッドルームなど、シチュエーションに合わせて検討したい。