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韓国・非正規職法施行 - 非正規雇用の職員を解雇する企業が続出
韓国では、2007年7月1日から、「期間制(契約)及び短時間勤労者(パート労働者)保護等に関する法律」(非正規職法)が施行されました。これによって雇用主は、2年を超える契約職は、「期限の定めのない契約職」に転換しなければならなくなりました。また賃金や労働条件などにおける不合理な差別を禁止し、差別を受けたとする非正規職員は、労働委員会に対し是正命令を求めることができます。
韓国も日本同様に雇用の格差が社会問題となっており、2006年8月の政府統計でも全労働者1535万人の3分の1が、契約職やパート労働、派遣職員など非正規職として働いており、その多くは女性です。女性団体や労働組合は、正規職員との格差是正のための法整備を政府に要求してきましたが、その対応策として、06年11月に、上述の法制定とともに、「派遣勤労者保護等に関する法律」や「労働委員会法」が改正されました。しかし、女性団体や労働組合は、この一連の非正規職法の内容では、むしろ2年以内に解雇される非正規職員が増えるおそれがあるなどとして制定当初から反対をしてきました。また経営者側は、経営の負担が大きいとして逆の立場で反対しています。 法施行目前にした6月には、これまで雇用されてきた非正規職員が一斉に解雇される事態が各地で起こりました。ソウルのあるディスカウントストアでは、これに抗議する非正規職員たちが売り場の一部を占拠する様子が報道されましたが、各地でこの問題をめぐって労使の対立が激しくなっています。 一方、銀行業界では非正規職員を正規職員に転換するという動きが続いています。また政府は、今回の施行を受けて、公共部門に勤務する非正規職の内、約7万名を正規職に転換することを発表しています。 韓国の放送会社CBSの世論調査によると、4割をこえる市民が今回の法を再度改正すべきだという意見です。 出所: ・労働部「政策ニュース」の記事 ・KBSニュース2007年7月2日付の記事 (韓国語) ・YTNニュース2006年12月20日付の記事 (韓国語) 参考:ヒューライツ大阪『韓国の働く女性の現状と未来-少子高齢化、非正規職急増の時代を迎えて』「国際人権ひろば」No.71(2007年1月) |
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