14日午前10時40分ごろ、大阪府柏原市のJR関西線河内堅上駅近くの線路脇にカメラを持った男性ら3人がいるのに、加茂発天王寺行き快速電車の運転士が気づいて停車。直前に回送電車の運転士が同じ場所で線路に立ち入っている約50人を目撃しており、別の普通電車も人影に気づいて停車した。上下計19本が運休、26本が最大約40分遅れ、約1万3000人に影響した。
団体客専用の臨時列車「あすか」の運行があり、鉄道ファンらが撮影に集まったらしい。JR西日本と府警柏原署によると、快速電車の運転士が退去を求めたが数人が聞き入れず、周辺駅から応援の駅員を呼んだり、パトカーが出動する騒ぎになった。全員立ち去ったが同署が列車往来危険容疑で調べている。
あすかは車内を座敷に改装した珍しい車両。運行が年数回のため、撮影しようと人気が高いという。この日は新大阪駅発着で、奈良、京都など経由。ファンが集まった場所はカーブがあり、背景の山など自然が美しい“撮影スポット”だったという。乗車したファンの男性(21)は「線路脇の斜面で撮影している人もいて危険だった。大半のファンはマナーを守っており、同一視されるのは迷惑」と憤慨。JR西は「鉄道好きだからこそ、マナーを守ってほしい」と話している。【茶谷亮】
毎日新聞 2010年2月14日 18時40分(最終更新 2月14日 19時52分)