福岡県町村会をめぐる架空請求事件で、詐欺罪に問われた町村会元事務局次長で無職、田中剛佑被告(70)=同県太宰府市=と、同会業務課参事、天野敏哉被告(49)=同県那珂川町=の初公判が12日、福岡地裁(杉本正則裁判官)であり、2人は起訴内容を認めた。町村会幹部による県幹部の接待疑惑について検察側は「町村会に入った1984年ごろには、すでに県幹部の接待が行われていた」とする天野被告の供述調書を明らかにした。
検察側の冒頭陳述などによると、2人は当初は町村会の資金で県幹部を接待していたが、2001年12月ごろ、当時の上司の同会前事務局長、笹渕(ささぶち)正三容疑者(80)=贈賄容疑で逮捕=から「公式会議後の懇親会以外は接待を禁止する」と指示された。しかし、2人は県幹部との関係や自分の地位悪化を懸念し、02年4月から架空請求などによる裏金づくりを始め、接待を継続した。
裏金は接待費のほか、田中被告は02年5月から飲食代に、天野被告は04年9月から、パチンコ代や旅行代などの遊興費にも使ったという。
起訴状によると、2人は、06年3月-07年12月、印刷会社からのコピー用紙の購入を装った架空請求書を町村会事務局に提出し、町村会や福岡県市町村振興協会から計約280万円をだまし取ったとされる。
=2010/02/13付 西日本新聞朝刊=