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北区の時計店主強殺 別の30代男も関与か現場付近に車 詐欺容疑で手配殺害された
小川喜則さん 名古屋市北区の時計店で昨年7月、店主の小川喜則さん(当時71歳)が刺殺された事件で、強盗殺人罪などで起訴された同区柳原、無職小林文弥被告(47)のマンションに同居していた30歳代の男が、事件に関与していた疑いのあることが、愛知県警の調べでわかった。男は事件後、所在不明になっており、県警が別の詐欺事件で指名手配し、行方を追っている。 起訴 無職男と同居強盗殺人事件は同月3日午後7時頃に発生。小林被告が小川さん宅に押し入り、1階居間で妻(67)とテレビを見ていた小川さんの胸を包丁でいきなり数か所刺した。騒ぎを聞いて2階から下りてきた長男(30)が取り押さえたが、小川さんは翌4日未明、出血性ショックで死亡した。 捜査関係者によると、事件後、時計店から約50メートル離れた一方通行の路地に男の車が逆向きに放置されているのが見つかった。小林被告の供述や防犯カメラの映像などから、男は事件直前まで小林被告と行動し、犯行当時も車の中で待機していた可能性が高いという。 男は、貸金業者に多額の借金があった小林被告に対し、「お前が金を借りているのは暴力団だ。早く返さないと押しかけてくるぞ」などと、金を工面するよう強く迫っていたという。 小林被告は事件の約3か月前、同市中区のパチンコ店で男と知り合い、同居を始めたが、その後の捜査で、男が使った「久保」という名前は偽名で、過去に詐欺事件を繰り返していたことも判明した。県警は、暴力団との関係をにおわせて犯行をそそのかし、分け前を取ろうとした可能性もあるとみている。 また、男は昨年6月末、近くの電器店で、代金は小林被告が払うなどとうそを言い、液晶テレビ(9万2800円)と中古炊飯器をだまし取った疑いが持たれている。男はその後、テレビをリサイクルショップに転売しており、県警は当初から代金を支払うつもりがなかったとみて、詐欺容疑で指名手配し、強盗事件への関与についても事情を聞く方針だ。 小林被告は調べに対し、「借金があり、強盗でもしないと生きていけないと思った」「当初は北区の理髪店に強盗に入ろうとしたが、客がいたのであきらめ、一度行ったことのある時計店を襲った」などと供述しているという。 (2010年1月31日 読売新聞)
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