「アニメ界のアカデミー賞」と呼ばれるアニー賞が7日発表され、米劇場版アニメ「コララインとボタンの魔女3D」のコンセプト・アートを担当した日本人イラストレーターの上杉忠弘さんが最優秀美術賞を受賞した。日本人の受賞は初めて。
上杉さんは、キャラクターから建物、すべてのコンセプトを具体的なビジュアルに落とし込む作業を担当。同作品は、最優秀音楽賞、最優秀キャラクター・デザイン賞と合わせ、「プリンセスと魔法のキス」と並ぶ最多3部門を受賞した。「崖の上のポニョ」で監督賞に宮崎駿さん、音楽賞に久石譲さんがノミネートされていたが、いずれも受賞を逃した。
上杉さんは、66年生まれで日本在住。「anan」(マガジンハウス)や「JJ」(光文社)などのファッション誌でイラストレーターとして活躍するかたわら、企業広告や製品パッケージ、映画ポスター、CDジャケットなども手掛けている。上杉さんは「まさか自分が受賞するとは思っていなかった。(授賞式で)名前を呼ばれた瞬間は、頭が真っ白になりました。監督からおめでとう、おめでとうと何度も言ってもらい、とてもうれしい気持ちでいっぱいです」と喜びのコメントを寄せている。「コララインとボタンの魔女3D」は「第82回アカデミー賞」の長編アニメーション部門にノミネートされている。19日から全国で公開。【河村成浩】
2010年2月10日