内向きの製薬産業を新成長動力に(下)

 製薬業界の関係者は「ジェネリック薬を製造してリベート営業を行うだけでも十分にやっていける。それなのに、どこのメーカーがリスクの高い新薬開発に乗り出すだろうか。研究開発などやらなくても生きていける製薬業界の構造そのものが問題だ」と述べた。専門家は、「担当部処(省庁)である保健福祉家族部が製薬業界を“産業”と見なしておらず、単なる“規制の対象”としてのみ政策を行ってきたため、今のような結果をもたらした」と指摘している。

 また、政府も製薬産業を新成長動力にすることを目指すとし、7日には保健福祉家族部、企画財政部、知識経済部など九つの部処が合同で、製薬産業競争力強化に向けた方策を発表した。製薬分野でもサムスン電子と同じような世界的競争力を持つ企業を生み出したいというわけだ。

 韓国政府は製薬メーカーの研究開発を財政面で支援するために、今年中に3000億ウォン(約230億円)の基金を造成し、5年以内にこれを2兆ウォン(約1500億円)にまで拡大したいとしている。製薬業界における税額控除も、現在の3-6%から世界最高レベルの20%(中小の製薬メーカーは30%)へと拡大することにした。

 さらに新薬の研究開発を促すために、研究開発投資を活発に行っている企業や、さらに開発された医薬品を対象に薬価インセンティブを与え、今後30年で16種類の画期的な新薬開発を目標にしたい考えだ。そのために開発から販売に至るまで、総合的な支援を受けられる新薬開発クラスターを仁川・松島BRCセンターなどに設置することも検討中だという。

キム・ミンチョル記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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