P.O.W.



「はぁ―」



天井を見上げたまま大きく溜め息をついた。


―『ありがとう、アスラン』・・・かぁ。


ラクスを失ってはならないのは本当だったが、キラから礼を言われるとは・・・

キラの、ラクスに対する思いを垣間見た気がして・・・なんだか胸が苦しくなってくる。

最初にキラから離れたのは自分だ。

だから・・・自分が悪いということはわかっている。


でも・・・。



「キラの・・・馬鹿」



そう呟いて。

振り払うように頭を振った。



「なあ、あんた」



「っ!?」



唐突にすぐ傍から降ってきた声に驚く。

隣のベッドにいたはずの男が俺の顔を覗き込んでいた。



「なっ・・・フラガ少佐!?」



「だ〜か〜ら〜ネオだっつってんだろ」



「あの・・・でも・・・ええ?」



確かに、髪は伸びているけれど。

この態度。

そして顔の大きな傷。

この人は・・・



「あ・・・」



そうだ、彼は先の大戦で亡くなったんじゃないか。

それによく見ると足首を鎖で拘束されているみたいだ。

捕虜・・・か。

別人だよな・・・

気持ち悪いくらい似ているけれど。



「その、なんでしょうか・・・?」



「あんた、あのボーヤのオンナなのか?」



「は?」



ボーヤというのはキラのことだよな。



「女って・・・?」



「いやホラ、付き合ってるのかって」



「ブっ!」



思わず噎せてしまう。

これではまるで自分で認めてるようなものだ。



「ん〜やっぱそうなのかぁ」



「なっなん・・・なんでっ、そんな・・・」



「カンだよカン。男のカンってやつ」



「そうじゃなくて!」



「あんた、アイツと話す時声のトーンが違ったからな」



「それは・・・」



動揺していたのが声に出てしまっていたのだろうか。



「で?ホントのとこ、どうなんだよ?」




「別に・・・特に何も、ない・・・です・・・が」



「へぇ」



どもりつつも、視線を逸らして答えると、頤をグイと持ち上げられた。



「かわい子ちゃんにこんな切ない顔させるなんて、あのボーヤもなかなかのもんだな」



「だから・・・っ!」



撤回させようとしても、この男は全く疑っていないらしい。

ニヤニヤと笑みを形作る男の様子が、なんだか熱を帯びている気がして本能的に身構えた。



「なあ、ちょっと犯らせろよ」



「なっ!?」



唐突に浴びせられた卑俗な言葉に目を見開く。



「別にあのボーヤのものでもないらしいし?いいじゃん」



「やっ、やめろっ」



近づいてくる男を避けようにも、傷を負った身体は思うように動かない。



「俺ずっとしてなくて溜まってんだよねぇ。一人でするのも寂しいじゃん?」



「っつ」



何を言ってるんだこの男は!



「気持ちよくしてやるよ」



「え、遠慮します!!」



必死で首を振っても、男は本気の様子だった。



「やだっ!だ、誰か・・・!キ・・・っ」



キラ・・・。



思わずその名前を呼びそうになる。



「今はみんな戦闘配備中だろ。残〜念」



「ちょっ・・・やめ・・・った!」



いやだ・・・こんな・・・他人に触れられるなんて。



「痛いんだろ?おとなしくしてろって」



「いやだ・・・やめろっ」



もがくほどに身体がぎしぎしと軋むように痛んだ。

悔しい、情けない、こんな自分が。



「っあ・・・」



瞬く間にインナーを脱がされてしまう。

一糸纏わぬ下半身を男の前に晒している。



「いい身体してんな」



「っ」



包帯の巻かれているわき腹から腰骨にかけて手を這わされて、ゾクリと震えた。



「ここもまだキレイだ」



「ひっ」



唐突に自身に触れられて目を見開いた。



「やだ・・・やっ」



こすられると、嫌悪感ではない、別の感覚が襲ってきて。

それを認めたくなくて固く拳を握った。



「ココは嫌がってないなぁ」



そう言って笑った男の指先がそれをぴんと弾く。



「んうっ」



素直に反応を返してしまう身体が厭になる。



「舐めてやるよ」



「えっな・・・!」



その言葉に身体中がカッと熱くなってしまう。

男はそんな俺の反応を面白そうに見ている。



「してもらったことくらいあるだろ」



「や・・・んっ」



くるりと親指の腹で擦られると、もう反応していることを隠せない。



「ああっん・・・」



男の舌が裏の筋を通って、亀頭の割れ目の辺りを舐め始めると、もうだめだった。

快感が襲ってきて、抵抗する力はそぎ落とされてしまう。



「だ・・・め・・・んん」



すっぽりと口腔に包まれると思わず腰が引けてしまう。

久しぶりなせいか、早くも絶頂の波が押し寄せてきて大体を振るわせた。



「っああっ・・・」



身体は数秒間硬直したままで。

全てを搾り取られても依然として与えられる刺激がつらくて涙が零れた。



「濃いなぁ」



言いながら口の周りに溢れた蜜を、舌が妖艶な動きで舐めとる。

その仕草にドキリとしてしまう自分がいる。



「ずっとしてなかったのか?」



くすっと笑みながら覗き込んでくる瞳からすぐに視線を逸らそうとした。



「次は俺の番」



「なっ・・・おい!」



睨み付けた俺を尻目に、さも当然といった顔が答える。



「自分だけイっといてズルいぞ、子猫ちゃん」



呼び方よりも何よりも、これから何をされるかを悟り、必死でベッドの上をずり上がる。



「こら」



「やっやめろ」



そんな努力も虚しく、両足を掴まれて動けなくなる。



「気持ちよくしてやるから、な?」



目、目がマジだ・・・

顔は笑っていても、獲物を捕らえたときの狼のような獰猛な光が俺の視線を捉える。



「・・・っ」



「う〜んと、ジェルなんかないよな。しょうがない」



唐突に男の顔が下がっていくのを目にしたとたん、後ろにぴちゃっと濡れた感触を感じる。



「な・・・に?やっあ・・・あ・・・」



それが舌の感触であるとわかった瞬間、身体が一時停止する。



「ひっや・・・!」



さらに入り口から内側へと侵入し、襞を舐め上げられる。

感じやすいその場所は、確かに快楽を覚えていて、びくびくと反応を返す。



「そ・・・んな、やあっ」



指で押し広げられ、さらに奥まで進入してくる。

巧みな舌使いに翻弄されて、再びオーガズムの波が疼く。



「ひっ・・・!」



2本の指を突き立てられて慄く。



「ちょっ・・・も・・・」



「狭いからよく馴らさないとな」



「やっ」



だめだと訴えても聞き入れてもらえず、指は悪戯に動き回る。



「うああっ」



ある場所を擦られたとたん、鋭い燃えるような熱と共に快感が襲った。



「や・・・あっ・・・な・・・」



「ココがいいんだな?」



最も快楽を受け止めるその場所を少し捏ねられただけで歓喜が湧き上がる。



「っひああ―」



2度目の絶頂を腹の上に飛び散らかし、深い呼吸を整えようとする。



「ったく、早いんだから」



そう苦笑する男の誇張したものがあてがわれる。



「なっ!はぁっはぁっ、ちょっ、待っ・・・」



「待てないっての」



強引に押し入ってくる熱い大きな塊に、目を見開いた。



「ひあああ、い・・・あぁっ」



痛みよりもショックに瞠目し、男の腕にあらん限りの力で爪を立てる。



「いでっ、おい・・・」



それを引き剥がそうとした男は、俺の震えに気づく。



「う・・・あ・・・」



「おい、大丈夫か?」



彷徨う視線はぼんやりと宙を見やり、



「キ・・・ラ・・・」



と呟く。



「ちっ。わかった、わかったから」



強く抱きしめられ、頭を撫でられて。

キスの雨が降ってくる。

そうされているうちに少し落ち着いてきて、男の身体に腕を回した。



「お、なんだ?」



「責任とれ・・・よ、く・・・そっ」



身体だけはどうしようもなく熱く疼いていて。

やけくそみたいに声を絞った。

少し恥ずかしくて男の肩に顔をうずめる。



「はいは〜い」



どこか嬉しそうに弾んだ返事が返ってくる。



「目ぇ瞑って、快感だけ感じてろよ」



「んっ、え・・・?ああっ」



突然視界を掌で覆われた真っ黒な闇の中、再び律動が開始される。

腹の奥に抽挿された熱さが、快感が、全身へと撹拌する。



「んんっ、い、い・・・っ」



俺はいつしか快楽だけを追い求めていた

顔にかかる熱い吐息も息遣いも全て快楽の波に呑み込まれていく。



「あっああっ、う・・・あ、だめ・・・イ・・・くっ」



高く上がった悲鳴と、男が息を詰めたのはほぼ同時だった。








*  *  *  *  *








「もう気が済んだだろ!」



「ん〜〜〜」



もう無理だとだるいからだを振り絞って男を拒絶したけれど、この絶倫は一向にやめてくれる気配がない。
それどころか、唇を尖らせて擦り寄ってくる。



「まぁ怒った顔も可愛いけどな。もう一度押し倒したくなっちゃう、みたいな?」



低く囁かれた声に、ゾっと背筋に鳥肌が立つ。



「や・・・やめっ、どけ・・・って!」



「あんなに喜んでたのに〜?・・・ってあれ?ココ勃ってんじゃないの?」



「なっ」



急所をグリグリと撫で回されて、びくりと硬直した。



「やだっ・・・あっん・・・」



――バタン!!!



「アスラン!!」



突然の扉の音に、目を見開いた。

こ、この声は・・・



「キ、キラ・・・!?」



「あ?」



どうしてここにいるんだ!?

それよりも、俺こんな格好を・・・



「ムウさん!!やっぱりアナタは!早くアスランからどいて下さい!」



「ムウ・・・?ていうかなんで?」



「アスランは僕のものだからです!!」



「キ、キラ?」



そんなこと今まで一度も言ってくれたことなんて・・・



「こいつはアンタのことは何とも思ってないみたいだったぜ?」



「アスラン!?どういうことなの?」



「な・・・その・・・ええと・・・」



こ、怖い・・・

キラが本気で怒ってる・・・?



「だ、だって!キラずっと俺に冷たくて、それに!ラクスとばっかり・・・」



「あのねぇ」



必死でキラを責める俺を呆れ返ったような顔が見やる。



「僕を置いていったアスランには、ちょっと反省してもらわないとって思ったからだよ」



「え・・・?」



「僕、ずっと寂しかったんだからね!」



「キラ・・・。・・・すまない。本当にすまなかった」


俺はずっとキラにこんな思いをさせていたのだ。

キラの気持ちが痛いほどよくわかって。

ただただ謝った。

そんな俺に、キラは手をさし伸べて、


「アスラン大好きだよ」



と囁く。

赦してくれているのだろうか。

こんな俺のことを・・・



「キラ、俺も・・・。キラがいないと、俺・・・」



「これからはずっと一緒だよ」



見つめ合う二人。



「あ〜はいはい勝手にやっててください」



そして、不貞腐れたようにそそくさと退散する男が一人。



そんな一部始終を覗いている者がもう一人いようとは、誰も知らない。







キラはラクスをほっぽって一時帰還していたのでした(こじつけ)
メイリンが覗いてたり(笑)おきまりですね。

最初はムウとアスランが完全に出来てることにしてたのですが。
誘い受アスランとたじたじネオになっちゃって。
やっぱりネオはちょっかい出すキャラかなぁと。

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☆感想☆

ネオとアスランの会話はナシですか・・・!?
まるで私に小説で補完してといわんばかりに(笑)
ネオにまで散々やられて、起き上がることが出来ないアスラン(違)
気遣うネオ(違)

シンがアスランを思い出してくれるのが何よりの救いです。





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