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【国際】

ノーベル賞を劉暁波氏に 米などで推す動き 中国政府反発

2010年2月5日 朝刊

 【北京=朝田憲祐】中国共産党の一党独裁廃止を求めた声明「〇八憲章」の主要起草者で、国家政権転覆扇動罪で懲役十一年の実刑判決を受けた反体制作家、劉暁波氏(54)をノーベル平和賞に推す動きが米国などで相次ぎ、中国政府が反発している。

 四日付の香港紙・明報などによると、二〇一〇年のノーベル平和賞のノミネートの期限である一月末までに、チェコのハベル前大統領と同国の国会議員四十人、国際ペンクラブ・米分会、米国会議員七人らがそれぞれ、劉氏をノルウェーのノーベル委員会に候補者として推薦したことを公表した。推薦資格をもつのは、各国の国会議員や学者、過去の受賞者らで、世界で数千人という。

 国際ペンクラブ・米分会は、劉氏の推薦理由について「人権や政治の権利および言論の自由の分野で、傑出した指導能力がある」などと評価している。

 こうした劉氏を推す動きに対し、中国外務省の馬朝旭報道局長は二日の記者会見で「あのような人物にノーベル平和賞を与えるのは誤りだ」と強く反発した。

 ノーベル平和賞の中国人の候補者推薦をめぐってはこれまでに、獄中の人権活動家の胡佳氏らが有力候補になった。今年も劉氏のほか、盲目の人権活動家として知られる陳光誠氏、人権派弁護士の高智晟氏も推薦を受けたと報じられている。

 

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