JR東海が再開発する名古屋駅新ビル(仮称)=同社提供
名古屋駅新ビル(一番右)建設後のイメージ図。隣接する2棟はJRセントラルタワーズ=JR東海提供
松坂屋名古屋駅店やバスターミナルがある現在の名古屋ターミナルビル=名古屋市中村区
JR東海は10日、名古屋駅前の名古屋ターミナルビルを再開発して建てる「名古屋駅新ビル」(仮称)の建設計画を発表した。2008年末の構想段階では、駅前で最も高い約260メートルの超高層ビルとする予定だったが、オフィスビル需要や事業の採算性などを勘案し、高さ約220メートルに縮小変更した。
名古屋駅前には、三つの超高層の再開発ビル計画がある。すでにあるビルも含め、高さはミッドランドスクエアが最も高く、新ビルは3番目になる見通しだ。
新ビルは地上46階、地下6階建て。1階にバスターミナル、18階までの低層階には商業施設が入る予定。19〜25階には、JR東海系のホテルが入る。ビジネス利用中心のホテルにする見通し。26階から上はオフィスとする。
外観デザインは、隣接するJRセントラルタワーズを担当した設計事務所が手がけ、周囲との調和を保つようにした。タワーズの2階と15階とは、つなぐ構造にする。
核となる商業施設は、業態を含めて未定という。現在は松坂屋名古屋駅店が入居しているが、JR東海の平沢純一専務事業推進本部長は、松坂屋の再出店について「協議中」とした。テナントの決定には1〜2年かかるとの見通しを示し、文化施設も候補に挙がっているという。
新ビルの完成は、16年度の予定。建設費は、構想段階では約1500億円としていたが、規模縮小に伴い下回る見通し。ターミナルビルは9月末ごろから解体に着手する。
一方、新ビルの北隣には、日本郵政グループなどが旧名古屋中央郵便局を、超高層ビルに再開発する計画がある。日本郵政は10日、ビルの完成時期を、当初予定した12年度から13年度に遅らせる方針を明らかにした。
規模についても、高さ約210メートルの地上40階建てビルを予定していたが、高さ約200メートルの41階建てに変更した。(伊沢友之、木村裕明)