【サンフランシスコ=丸石伸一】トヨタ自動車は27日、米国で販売した5車種の計109万3千台を新たにリコール(回収・無償修理)すると発表した。これで同社は、カナダでのリコールや、別のリコールとの重複分も含め、北米で延べ800万台超のリコール対応を迫られる。
トヨタが27日に発表したリコールは、昨年の426万台と同様、フロアマットにアクセルペダルが引っかかる可能性があることが理由。この件でのリコールは昨年分と合わせ、計約535万台になった。アクセルペダルを短くし、フロアマットを新品に交換するなどして、ペダルが引っかからないようにする。
5車種には、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)との合弁工場で生産したポンティアックブランドの乗用車も含まれる。
トヨタは今月21日にも、米国内で販売した8車種の計約230万台をリコール。これはアクセルペダル自体の不具合のためで、原因は今回と異なるが、対象車には重なっている部分も多いという。
一方、トヨタは米国内と同じ理由でカナダでもリコールを実施しており、その規模は計約47万4500台にのぼる。このうちフロアマットに引っかかる恐れがある分が約20万4500台になる。
中国でもリコールを発表したほか、欧州で販売した車でもアクセルペダルの不具合でリコール実施を検討中。これが実施されると、リコール対応が必要な車は延べ1千万台を超える可能性がある。
米レンタカー大手のエイビス・バジェットグループは27日、米国やカナダなどで同社が保有するトヨタ車2万台のレンタルをやめると発表。「顧客に安全と安心を提供することが最優先事項だ」と説明した。全米自動車ディーラー協会(NADA)は同日、ディーラー救済策をトヨタと検討するとの声明を出した。