ルポ:衰退の一途をたどる朝鮮総連(4/4)

父(朝鮮籍)は北朝鮮に投資、息子(韓国国籍)は仁川に投資

「金総書記が『今年は組織を再建せよ』と指示」

 朝鮮総連は東京に中央本部を、47都道府県にそれぞれ本部を置いている。その下に主要都市の支部があり、またその下に分会もある。現在でもこの組織形態はほぼそのまま維持されているが、規模は大幅に縮小した。中央本部の職員は最盛期のころは200人に上ったが、今は60-70人ほどだという。資金難と共に、人材の流出が急速に進んだためだ。都道府県別の本部と支部では、常勤職員がいない所も少しずつ増えている。

 日本の公安当局の分析によると、朝鮮総連の勢力は最盛期に比べ5分の1ほどに減少したという。1955年の約43万から、97年には約19万9000人に減少、2009年現在は約9万人ほどと推定されている。朝鮮籍を維持する人たちの数(3万-4万人)より、朝鮮総連の勢力が大きいのは、朝鮮総連が主管する各種親睦行事に参加する人たちやその家族までを含めているためだ。

 それでも、朝鮮総連の組織自体がなくなる可能性は皆無だというのが、韓国と日本の公安当局の分析だ。むしろ、少数になって団結する傾向も現れているという。

 昨年10月16日、東京の日本教育会館で朝鮮総連が主管する「海外同胞統一大会」というイベントが行われた。イベントには許宗万(ホ・ジョンマン)責任副議長をはじめとする朝鮮総連の幹部が全員参加し、日本以外の地域からも代表約50人が姿を見せ、朝鮮総連系の活動家など総勢1000人が参加した。この会で朝鮮総連側の関係者は、「金正日(キム・ジョンイル)総書記から、“今年は組織を再建せよ”という指示が下された」と話した。一方朝鮮学校も、大規模な統廃合論議がすでに進められているという。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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