ルポ:衰退の一途をたどる朝鮮総連(2/4)

父(朝鮮籍)は北朝鮮に投資、息子(韓国国籍)は仁川に投資

 ヤン・スジョン副議長の一家も同様だ。ヤン副議長だけ朝鮮籍を維持しており、ほかの家族は韓国国籍に変えた。ヤン副議長の事業を受け継いだ息子も、2005年に韓国国籍を取得した。朝鮮籍を維持していては、銀行の融資など、日本国内での経済活動に大きな支障があるためだ。また今春、延世大学に進学する孫娘も韓国国籍だ。

 現在、ヤン副議長の孫娘が韓国の大学に進学するといううわさが、朝鮮総連系の同胞の間で少しずつ広まっている。朝鮮総連の幹部が家族を韓国の大学に送ってもいいのかという批判もあるが、時代の流れを考慮すれば当然だ、という反応が大勢だ。

 朝鮮総連系の学生を対象に非公式に入学説明会を開き、ヤン副議長の孫娘などの延世大進学をあっせんしたムン・フンリョル同大広報大使(HBcor会長)は、「統一の時期が30年後になるか、50年後になるかは分からないが、長い目で見れば、若い学生を韓国で教育するのは最も重要なことの一つだ。延世大は今後、100人を受け入れるよう努力する」と話した。

 現在、日本で朝鮮籍を維持している人は3万-4万人。1990年代には10万人を上回っていたが、毎年減少の一途をたどり、今は3万-4万人と推定されている。北朝鮮が2002年に日本人の拉致事実を認めた翌年に当たる03年の1万895人をピークに、毎年3000人前後の朝鮮総連系の人たちが韓国国籍に変更している。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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