ルポ:衰退の一途をたどる朝鮮総連(1/4)

父(朝鮮籍)は北朝鮮に投資、息子(韓国国籍)は仁川に投資

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)系の組織基盤の崩壊はあらゆる側面から進んでいる。主要活動家の家族らが「韓国国籍」を選ぶのはもちろん、韓国に投資する企業家も出現している。危機感を感じた朝鮮総連が組織再建に乗り出してはいるものの、組織の委縮はむしろ早まっている。

■夫は朝鮮籍、妻は韓国国籍

 韓国の大手電子メーカーの日本法人に勤務する日本生まれのCさん(27)は、今月初めに結婚した。夫は朝鮮総連系の朝鮮大学出身で、現在総連系の仕事をしている。Cさんは韓国国籍で、夫は(事実上の北朝鮮国籍である)朝鮮籍だ。朝鮮籍は1965年、韓日国交正常化以後も、韓国国籍を取得せず、強制併合時代の国籍をそのまま維持しているケースだ。日本の外国人登録手続き上では「無国籍」に分類される。朝鮮籍保有者の大半が朝鮮総連系の活動家やその家族たちだ。

 結婚式の仲人は朝鮮総連系関連団体の機関長が引き受けた。仲人はあいさつをしながら、Cさんを「トンム(仲間の意、北朝鮮で使われる)」と呼んだ。招待客は朝鮮総連系が80%以上、残りは在日本大韓民国民団(民団)系だった。民団系の招待客がいたのは、Cさんの母方の祖母が長い間、民団の活動をしてきたためだ。新婚旅行は北朝鮮と国交があるヨーロッパに行った。ハワイに行こうとしたが、夫のビザ取得が難しいためあきらめた。

 Cさんの父も朝鮮総連系の活動を長い間行ってきた。現在、Cさんの家族は父だけが朝鮮籍で、母と娘4人は全員韓国国籍だ。娘たちはみな2001年に韓国国籍を取得した。父は「俺はそのまま残る」と話したという。Cさんの姉2人も朝鮮総連系の男性と結婚した。姉の夫は二人とも総連系の団体で働いている。Cさんの家族のように、朝鮮総連系の家族の中には国籍がバラバラというケースが多く、ほとんどの場合がそうだといっても過言ではない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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