2010年2月7日 21時24分 更新:2月9日 0時18分
7日午後6時5分ごろ、成田国際空港に到着したニューヨーク発のデルタ航空59便(ボーイング777-200型、乗員乗客193人)の機体の主脚格納部で、整備士が黒人男性の遺体を発見した。全身に凍傷の跡があり、密航目的で乗り込み凍死した可能性が高いとみて、千葉県警成田空港署が身元や死因を調べている。
国土交通省成田空港事務所によると、同機は成田に午後4時45分ごろ着陸。乗客を降ろし約800メートル離れた貨物地区へ移動後、整備士が格納部の扉の内側で遺体を発見した。同署によると、目立った外傷はないが、上空でできたとみられる凍傷の跡が全身にあった。所持品はなかった。
格納部は機内から立ち入れず、地上からタイヤをよじ登ったとみられる。同機は米国発着の国際線に使われている。成田空港署は米国ではテロ対策で空港が厳重に警備されているうえニューヨークは真冬で、男性がジーパンにシャツ姿の軽装であることから、米国以外で乗り込んだとみて機体の運用スケジュールなどを調べている。
主脚格納部は人間が隠れるのに十分なスペースがある。与圧されず、巡航高度の約1万メートルでは氷点下50度にもなり、乗り込んだ密航者が酸素不足や低温で死亡し、空港で遺体で見つかるケースは珍しくない。成田では03年3月にも香港からの到着便で男性の遺体が見つかっている。【山田泰正、駒木智一】