再び「ネトウヨの敗北」
2010年02月08日08時40分 / 提供:PJオピニオン
【PJニュース 2010年2月8日】昨年8月30日の衆議院選挙ではまさに地すべり的勝利を得た民主党は、年明けの国会前に、鳩山由紀夫総理大臣、同党幹事長である小沢一郎氏のカネをめぐる疑惑で大揺れに揺れた。さらに、東京地検特捜部が小沢氏を追求し、マスコミへの捜査情報リークなどの非合法とも言える手段を使って煽(あお)りに煽り、それに多くのマスコミが乗り、報道も「反小沢」一色となった感があった。しかし、それにもかかわらず、小沢氏は不起訴となった。結果として、現時点では小沢・民主党の勝利が決まったと言って良いだろう。
この騒ぎのあいだ、ネットでも多くの「小沢擁護」「反小沢・反民主党」の双方の言論があふれた。しかし、どちらかといえば「やりすぎ」の感もぬぐえなかった検察は、ここまでがんばったにもかかわらず敗北を喫し、事態は終焉したように見える。もっとも、マスコミ報道も、ネットも、いまだにその残り火がくすぶっている。
ところで、ネットでの言論のうち、特に「反小沢」を鮮明にした言論をちょっと拾ってみよう。
「もはや政治主導という名の完全な小沢独裁政権」「悪党ほどしぶとく長生きするものだよ 」「小沢が死ねば全て解決」
ということでいろいろネットを調べていると、特にネットでは感情的に相手を否定するコトバとして書かれることが多い「死ね」がかなり多いことがわかる。そこでいろいろな例外はあることは承知の上で「小沢 死ね」でGoogleを引いたところ、28万件がヒットした。では、ほかの人たちや政党はどうかというと、「自民党 死ね」では68万件になり、前首相であった麻生氏の名前で「麻生 死ね」だと45万件。また、「民主党 死ね」では、約100万件。
つまり、小沢氏への感情的な反発は実はそんなに多くはない、ということがわかる。少なくとも自民党への怨念(おんねん)よりも、小沢氏への怨念のほうがはるかに軽いように思われる。もっとも、前政権の期間の長さと今政権の長さを考えると、この数字くらいの差は出て当然かも知れない。
前回の選挙でわかったことは、ネットで「アカ」などの単語を否定的に使う、いわゆる「ネトウヨ」は、ネット上では声が大きく見えるものの、実際の世の中ではたいした影響力を持たない、ということだった。しょせんは右翼の街宣車ほどの影響力もなく、多くの人間にその行動を冷ややかに見られているだけだった、という事実のショボさは、ネットというものの影響力の低さも同時に現していたのかも知れない、とPJは考えている。
いわゆる「ネトウヨ」の多くは「匿名」でネット上に登場する。戦前の日本で使われた日本以外のアジア人を卑下するようなコトバを多用することが多く、「死ね」なども含めた感情的で激越、かつ反社会的な人格を感じさせるコトバも多く使われるため、グローバリズムの中で生活する多くの普通の人間にはやはり疎まれるものがあるのは当然ではないだろうか?
勝間和代氏はじめ、多くのネットで活躍する方々が言う通り、言論は匿名ではなく実名でなければ人から信頼を得ることは難しい。加えて、その言論の中身にも「死ね」「バカ」などの感情的なコトバが多く入るほど、その書き手への信頼が薄くなり、書き手への同調者も減る。さらに、前回の選挙でもわかる通り、多くの日本人は感情に流される面もありながら、一方で感情で自分の行動を決める、ということをしない「冷めた面」「論理的な面」も多く持つようになり、かつ常識も充分に持っていることがわかる。
いわゆる「ネトウヨ」も、そろそろ自分の言いたいことを、感情ではなく論理で明確に打ち出し、かつ匿名ではなく実名で意見を言って、世間の反対意見や同調する意見と正面から闘ってみたら良いのではないだろうか?そうしないと、やがてネトウヨの存在感もなくなっていくのではないか?。老婆心ながら、PJはそう思っている。【了】
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この騒ぎのあいだ、ネットでも多くの「小沢擁護」「反小沢・反民主党」の双方の言論があふれた。しかし、どちらかといえば「やりすぎ」の感もぬぐえなかった検察は、ここまでがんばったにもかかわらず敗北を喫し、事態は終焉したように見える。もっとも、マスコミ報道も、ネットも、いまだにその残り火がくすぶっている。
ところで、ネットでの言論のうち、特に「反小沢」を鮮明にした言論をちょっと拾ってみよう。
「もはや政治主導という名の完全な小沢独裁政権」「悪党ほどしぶとく長生きするものだよ 」「小沢が死ねば全て解決」
ということでいろいろネットを調べていると、特にネットでは感情的に相手を否定するコトバとして書かれることが多い「死ね」がかなり多いことがわかる。そこでいろいろな例外はあることは承知の上で「小沢 死ね」でGoogleを引いたところ、28万件がヒットした。では、ほかの人たちや政党はどうかというと、「自民党 死ね」では68万件になり、前首相であった麻生氏の名前で「麻生 死ね」だと45万件。また、「民主党 死ね」では、約100万件。
つまり、小沢氏への感情的な反発は実はそんなに多くはない、ということがわかる。少なくとも自民党への怨念(おんねん)よりも、小沢氏への怨念のほうがはるかに軽いように思われる。もっとも、前政権の期間の長さと今政権の長さを考えると、この数字くらいの差は出て当然かも知れない。
前回の選挙でわかったことは、ネットで「アカ」などの単語を否定的に使う、いわゆる「ネトウヨ」は、ネット上では声が大きく見えるものの、実際の世の中ではたいした影響力を持たない、ということだった。しょせんは右翼の街宣車ほどの影響力もなく、多くの人間にその行動を冷ややかに見られているだけだった、という事実のショボさは、ネットというものの影響力の低さも同時に現していたのかも知れない、とPJは考えている。
いわゆる「ネトウヨ」の多くは「匿名」でネット上に登場する。戦前の日本で使われた日本以外のアジア人を卑下するようなコトバを多用することが多く、「死ね」なども含めた感情的で激越、かつ反社会的な人格を感じさせるコトバも多く使われるため、グローバリズムの中で生活する多くの普通の人間にはやはり疎まれるものがあるのは当然ではないだろうか?
勝間和代氏はじめ、多くのネットで活躍する方々が言う通り、言論は匿名ではなく実名でなければ人から信頼を得ることは難しい。加えて、その言論の中身にも「死ね」「バカ」などの感情的なコトバが多く入るほど、その書き手への信頼が薄くなり、書き手への同調者も減る。さらに、前回の選挙でもわかる通り、多くの日本人は感情に流される面もありながら、一方で感情で自分の行動を決める、ということをしない「冷めた面」「論理的な面」も多く持つようになり、かつ常識も充分に持っていることがわかる。
いわゆる「ネトウヨ」も、そろそろ自分の言いたいことを、感情ではなく論理で明確に打ち出し、かつ匿名ではなく実名で意見を言って、世間の反対意見や同調する意見と正面から闘ってみたら良いのではないだろうか?そうしないと、やがてネトウヨの存在感もなくなっていくのではないか?。老婆心ながら、PJはそう思っている。【了】
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