ナイロビ(CNN) アフリカ東部ケニアのアンボセリ国立公園で、干ばつでエサ不足に陥っているライオンやハイエナが人間集落を襲うことを食い止めるため、野生動物保護当局が別の場所からシマウマ約4000頭を移送する作戦に打って出ている。
当局によると干ばつは過去26年間で最悪の状態で、草木を主食とする草食動物の個体数が約80%減少するなど、アンボセリ国立公園の生態系が破壊されているという。
草食動物をエサとするライオンやハイエナが、食物を求めて人間集落を襲う被害が懸念されることから、シマウマ約4000頭、ヌー約3000頭を、別の4カ所から移送することを決定。まずはシマウマの移送から着手した。次いで、繁殖期が終わったヌーを移送する。
移送費用は140万ドルほど。費用がかさむが、同国で生存する野生のライオンは約2000頭ほどとみられており、ライオンの保護だけではなく、人間とのあつれきを避けるためにも必要だとしている。
外貨収入のうち約2割を観光に頼るケニアにとって、アンボセリ国立公園などは主要な観光地となっている。