2010年2月13日11時15分
リュージュ男子1人乗りの公式練習でコース外に飛び出して鉄柱に激突したノダル・クマリタシビリ選手(グルジア)を搬送する救急隊員=ロイター
リュージュ男子1人乗りの公式練習で、コース外に飛び出して鉄柱に激突したグルジアのノダル・クマリタシビリ選手のビデオ映像=AP
【バンクーバー=村上尚史】バンクーバー五輪のそり競技会場、ウィスラー・スライディングセンターで12日に行われたリュージュの男子1人乗りの公式練習で、グルジア代表のノダル・クマリタシビリ選手(21)が滑走中にコース外へ飛び出し、コース沿いに設置された鉄柱に激突して死亡した。開幕前を含め冬季五輪会場での事故で死亡した選手は、1964年インスブルック大会のリュージュやアルペンスキーなど今回で4人目。
クマリタシビリ選手はゴール直前の最終コーナーを回り終えたところで制御を失って転倒し、そりから体が離れて空中に投げ出された。事故当時の速度は時速88マイル(約143.3キロ)だったという。事故を受け、この日の残りの公式練習はキャンセルされた。
このコースでは多くの選手が90マイル(145キロ)以上を記録するなど「世界最速」と呼ばれる一方で、カーブでのそり操作が難しく、危険性を指摘する声が上がっていた。国際リュージュ連盟によると、コースは最速137キロの設定とされているが、昨年のテスト大会では最速で95.65マイル(約153.94キロ)を計測していた。
これまでの公式練習でルーマニアの女子選手がそりから落ちた衝撃で一時意識不明の重体になったり、この日早朝に練習した男子1人乗りの金メダル候補アルミン・ツェゲラー選手(イタリア)もコースの壁に激突したりするなど、事故が多発している。
コースの安全性について問われた国際オリンピック委員会(IOC)のジャック・ロゲ会長は「その話題について、今は対応できない。調査しているところだ」と話した。この競技では、前回トリノ大会でも事前のテスト大会で事故が相次ぎ、コースが改修されるトラブルがあった。
今大会の男子1人乗りは大会第2日の13日に1、2回戦が予定されている。
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〈リュージュ〉 そり競技の一つ。頭を後ろにして仰向けになってそりに乗り、時速100キロを超えるスピードでタイムを競う。五輪では1964年のインスブルック大会から正式競技に採用。男女1人乗りと、2人乗りがある。今大会には日本から3人が出場する。
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