(株)タカラが販売している玩具「ビーダマン」は、一言で言えば、「ビー玉を飛ばす人形」であり、様々な種類のものが作られている。多種多様なビーダマンが作られていく中で、「人形」という観点から「キャラクター性」「デザイン」を重視する方向と、「ビー玉を飛ばす」という観点から「競技性」という面を重視する方向との大きく2つにビーダマンは分化していくこととなった。「キャラクター性」「デザイン」を重視するものの代表として「ボンバーマンビーダマン」があげられるが、その「ボンバーマンビーダマン」のデザインを踏襲しつつ、特殊な機構を持ったボディを持っていたり、パーツを自由に組み合わせて強化できるようにして、競技性を高めたビーダマンが1995年11月から発売された。これが「スーパービーダマン」の始まりである。「スーパービーダマン」という言葉自体は、狭義にはこのボンバーマンのデザインを持った競技性のあるビーダマンを意味する言葉である。当初は一般の「ボンバーマンビーダマン」と区別する意味で「スーパービーダマン」という言葉が使われたと思われるが、しかし後にボンバーマンのデザインではない、オリジナルデザインの競技用ビーダマンが販売されるようになり、これらの競技用ビーダマンも含めて「スーパービーダマン」という言葉が使われるようになった。ここではスーパービーダマン」という言葉を競技用ビーダマン全般を意味する広義の意味で使い、狭義の意味のボンバーマンのデザインを持った競技用ビーダマンのことをボンバーマン型スーパービーダマンと呼ぶことにしたい。
スーパービーダマンの発売後、競技会などが全国で開かれ、腕を競う小中学生達で賑わうようになった。また「月刊 コロコロコミック」で今賀俊氏による「爆球連発 スーパービーダマン」という漫画が連載されるようになった。玩具販売促進目的という厳しい条件下にありながら、それを意識させない同氏のストーリー展開のさせ方は素晴らしく、この漫画自体も高い人気を得るようになった。
筆者にとってスーパービーダマンの魅力とは、一機種、一機種ごとに込められた開発者の情熱と創意工夫であり、それと同時にそれを一般のメジャーな商業ベースの中で通用させてしまっていることへの驚きである。スーパービーダマンの開発者は、「Dr.タマノ」という名前で知られているが、「Dr.タマノ」が作り出した様々なスーパービーダマンは、それぞれに多種多様な工夫が凝らされ、その工夫を見るたびに感心したり驚かされたりすることがしばしばである。ふりかえって日本の玩具業界全体を見ると、中には「これはどうせ子供が使うものだから」と、ある意味で子供を見くびったような玩具が少なくない。もちろん一部に良心的で優秀な玩具作家や開発者はおられるが、そのほとんどが世間からあまり知られていないマイナーな活動の中にある。日本のスーパーマーケットや大手玩具販売店などのメジャーな場所では、そういう玩具作家や開発者が活躍できないケースが大半なのである。そういう「たかだか子供のおもちゃ」といった貧困な精神の中で作られる玩具が多い中、そして本当に良心的で優秀な玩具作家、開発者がメジャーな場所に出られない中、その「たかだか子供のおもちゃ」に対して、メジャーな商業ベースの中で、自分の知恵を搾り出し次から次へと新しい創意工夫を生み出していく熱意を持った玩具開発者の一人が、スーパービーダマンの開発者である「Dr.タマノ」なのである。各論ではその創意工夫と情熱の魅力に迫りたい。
スーパービーダマンとしていろいろな種類の機体やパーツが作られているが、そのうちの一部は同一構造のカラーバリエーションなどもあり、分類や種類を分けるのは容易なことではない。ただ一応便宜的に、機体につけられているシリアルナンバー、およびパーツに付けられているパーツナンバーをベースに種類をあげると以下のようになる。
尚、上記に記載されたものはあくまでシリアルナンバーやパーツナンバーを持つものであって、これ以外にもシリアルナンバーやパーツナンバーを持たない限定版が多数存在するが、それらについては筆者がわかる範囲で、それに関連したシリアルナンバーを持った機体やパーツナンバーを持ったパーツのページで解説した。逆に単なるカラーバリエーションでもシリアルナンバーやパーツナンバーを持つものはとりあげている。そういう意味では実質的というよりも、あくまでシリアルナンバーやパーツナンバーを基準に便宜的に種類を分けたリストである。また機体のシリアルナンバーが51から始まっていたり、抜けている番号があるのは、スーパービーダマンが当初は「ボンバーマンビーダマン」というシリーズの中で作られ、そのシリアルナンバーを引き継いだためである。そのため上記の表には「ボンバーマンビーダマン」の「爆外伝」「爆外伝II」「爆外伝III」に相当する部分が抜けている。
またその他の理由としては競技セットや完成版の番号等も上記の表からは抜けていることもあげられる。それらの競技セットや完成版は以下の表のとおりとなる。
No. | 名前 | 発売年月 | 定価 |
---|---|---|---|
JBA認定 陸上3種競技セット | |||
56 | JBA認定 5種競技セット'96 | ||
78 | JBA認定 5種競技セット'97 | 3,500円 | |
95 | JBA認定 バトルロングブリッジ | 1,980円 | |
103 | JBA認定 5種競技セット'98 | 3,980円 | |
119 | JBA認定 シューティングサッカー'98 | 3,500円 | |
121 | JBA認定 シューティングゴルフ'99 | 3,500円 | |
131 | JBA認定 シューティングベースボール | 1999年 7月 | 980円 |
133 | EXシャドウボム | 1999年10月 | 2,980円 |
136 | JBA認定 シューティングバスケット | 1999年12月 | 980円 |
143 | ガーディアンフェニックス完成版 | 2000年 7月 | 980円 |
144 | ストライカージェミニ完成版 | 2000年 7月 | 1,280円 |
145 | バトルスターターセット | 2000年 7月 | 1,980円 |
146 | JBA認定 ガーディアンフェニックス パーフェクト競技セット | 2000年 7月 | 2,980円 |
154 | フラッシュワイバーン完成版 | 2000年12月 | 980円 |
なお上記の表の「JBA認定 陸上3種競技セット」のシリアルナンバーが抜けているのは、不明なのではなく、元々シリアルナンバーが存在しないことによる。
このサイトはあくまでスーパービーダマンについての解説であって、スーパービーダマン以外のビーダマンについては基本的に扱っていない。しかし、スーパービーダマン以外のビーダマン、特に「爆外伝」シリーズはいろいろな影響をスーパービーダマンに与えている。スーパービーダマンそのものが「爆外伝」から分かれて成立したという歴史的過程のみならず、回転型の射出システム、合体方式、ユニット構成のいくつかなどは、最初に「爆外伝」シリーズで試みられたことが、後になってからスーパービーダマンに採用されたものがある。そういったものについては逐次解説することとした。
ボンバーマンは(株)ハドソンのキャラクターです。
ビーダマンは(株)タカラが製造販売する商品です。
「爆球連発 スーパービーダマン」は今賀俊氏作で、(株)小学館の「コロコロコミック」の連載及び単行本となった劇画です。
このページはスーパービーダマンの一ファンによる私的なページであって、(株)ハドソン及び(株)タカラ及び(株)小学館の公式ページではありません。
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