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【栃木】

足利事件再審が結審 謝罪わずか1分 菅家さん『物足りない』

2010年2月13日

弁護団と共に宇都宮地裁に入る菅家さん(左から2人目)=宇都宮市で

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 無実の罪を着せられていたことへの謝罪は、わずか一分−。検察官が、論告に続いて謝罪の言葉を口にした十二日の足利事件再審第六回公判。菅家利和さん(63)は公判後の会見で、「物足りない」と検察官の発言を一蹴(いっしゅう)した。この日、路面に残る雪を一歩一歩踏みしめるように宇都宮地裁に入った菅家さん。胸中に積もった積年のわだかまりは解けぬまま、判決の日を待つことになった。 (横井武昭、宇田薫)

 午前十時、グレーのスーツ姿で法廷の席に着いた菅家さんは、検察官から発せられる一言一句を確かめるように真剣な表情で主張に聞き入った。結局、待ち望んでいた心に響くような言葉は検察官からは聞けないまま。県庁で開かれた会見でも「満足できない」と終始、不満を抑えきれない様子だった。

 また、「菅家さんを支える会・栃木」の西巻糸子代表(59)も「謝罪は当然」とした上で、これまでの公判で警察庁科学警察研究所の福島弘文所長や宇都宮地検の森川大司元検事が謝罪していないことに「もっと誠実に対応してほしかった」と不満を訴えた。

 一方、宇都宮地検の高崎秀雄次席検事は公判後の会見で「昨年十月に幕田英雄検事正が謝罪したが、菅家さんの気持ちを考え、公判の場で謝罪することが適切と考えた」と説明した。

 

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