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心臓

6.移植成績
●国内で心臓移植を受けた60人のうち、これまで移植後4カ月目に誤嚥性肺炎で1人、移植後4年に感染症で1人死亡されましたが、残りの58人は生存し、最近施行された1人を除いて57人が外来通院しています(2008年11月30日現在)。生存率は1年98.2%、3年98.2%、5年93.5%、9.5年93.5%です。
●法制後2008年11月末まで脳死下で心臓の提供を希望した方は74人で、その内60人に心臓が移植されましたが(提供率81.0%)、移植した心臓の不全で死亡した人はありません(3ヶ月以内死亡0人)。UNOSのデータによると、2006年に8,024人の脳死ドナーから2,275人に心臓が移植されましたが(提供率28.4%)、移植後3ヶ月以内の死亡を7%に認めました。
●2008年11月末までに海外で心臓移植を受けた128人のうち、5人が帰国前に死亡しています(急性拒絶反応3人、術後多臓器不全2人)。最近心臓移植を受けた3人を除く119人が帰国していますが、2007年6月末現在で20人が亡くなっています。生存率は1年94.4%、3年91.5%、5年86.8%、10年79.5%、15年72.9%、20年62.5%です(法改正後の92人の生存率は1年94.5%、3年93.0%、5年90.7%、10年75.4%)。
●国際心肺移植学会の統計によると、2002年から2006年までの3年間に心臓移植を受けた人の12,369人の生存率は3ヶ月90.6%、1年86.1%、3年79.1%、5年72.3%でした(ISHLT 2008.5)。
●心臓移植後現在生存中の人の中で最長生存例は27年11カ月です(Terasakiら、2004)。


7.費 用
●2006年4月1日から、全ての心臓移植実施認定施設において、心臓移植が保険適用となりました。心臓移植手術費1,041,000円、心臓採取術費493,000円、脳死臓器提供管理料142,000円と決まりましたが、患者さんの身体障害等級(ほとんどは1級)、収入によって自己負担分は変わります。多くの場合、自己負担は発生しません。なお、心臓摘出のために派遣された医療チームの交通費ならびに臓器搬送費(チャーター機の場合には100〜400万円)については、療養費払いとなり、一旦患者さんが支払った後、自己負担分(約3割)を除いた額が返還されます。
●海外渡航心臓移植に関わる費用は年々増加し、渡航前の状態、渡航先によって差がありますが、待機中・移植前後・外来の費用を含めて5,000〜14,000万円が必要です。最近では自費で費用を賄う人は減少し、ほとんどが募金または基金からの借入に頼っているのが現状です

8. 海外渡航心臓移植の問題点
●2008年5月にイスタンブールで移植医療に関する国際移植学会と世界保健機構(WHO)の共同声明が出されましたが、臓器移植は自国内で行うように指針が出されました。
●米国で行われた米国人以外の小児の心臓移植件数の推移を示しますが、日本の臓器移植法施行後増加しており、そのほとんどが日本人の小児です。
●その間に、米国で心臓移植を受けた小児は年間300人程度ですが、同時に60-100人の小児が待機中に死んでいることを忘れてはいけません。