鳩山首相に与謝野氏「ヤクザ」「平成の脱税王」
衆院予算委で自民党の与謝野馨氏(左手前から2人目)の質問に答弁する鳩山首相
Photo By 共同 |
鳩山由紀夫首相に対する実母からの資金提供問題に関し、12日の衆院予算委員会の集中審議で自民党の与謝野馨元財務相が、首相の実弟である鳩山邦夫元総務相の証言を紹介し、首相が実母に金を無心していたと追及した。首相は顔を紅潮させて全面否定。与謝野氏からは「ヤクザ」「平成の脱税王」などの言葉も飛び出し、大紛糾した。
与謝野氏は「政治とカネ」の問題を徹底追及する野党のトップバッターとして午前10時すぎ、質問に立った。首相の偽装献金問題に関し、政治資金規正法違反の罪で在宅起訴された元公設第1秘書の名前を挙げ、こう指摘した。
与謝野氏「あなたをかばうためにやった。これはあなたの犯罪だ。最近、ヤクザ映画を見るが、映画のシーンによく出てくる。親分は助かり、子分は警察に出頭する」
首相「ヤクザと同じように扱われるのはいささかと思いますが」
次に追及したのは、首相が野党時代の昨年3月、西松建設の巨額献金事件をめぐり「国策捜査」と批判したことについて。
与謝野氏「検察が不正なことをしているような発言をしたが、自分のことになると検察は正しいと言う。ご都合主義だ」
首相「感情的な高ぶりの中で発言したが、反省した」
与謝野氏「感情の高ぶりで言っちゃったなんて言い訳を政治家がしてはダメだ。政治家失格だ」
追及の手は緩めず、ついに最大の「隠し玉」が登場。首相に対する実母からの資金提供問題に関し、1年半ほど前に邦夫氏から聞いた話を紹介。
与謝野氏「“兄貴はしょっちゅうおっかさんのところに行って、子分に配る金が必要と言ってお金をもらっていた”と話していた。お母様と政治資金の話はしたことがないという答弁をずっとしているが、実際は(話を)しているんですよね」
首相「全くの作り話だ。兄弟といっても信じられない話。母に尋ねていただいてもけっこう…」
首相は怒りで声が震え、顔も紅潮。与党議員席から何度も「総理、冷静に!」の声が掛かると、何とか怒りを抑え、「母に対して金の無心をしたり“子分に配る金をくれ”などと言ったりするわけがない」と反論。それでも与謝野氏は「まさに平成の脱税王だ。そんな人が首相の座に座っていることがおかしい」と畳み掛けた。
邦夫氏は予算委員会でのやりとりを受けて午前11時半ごろ、記者団に「1年半か2年ほど前、母から“お兄さんは子分を養うためにお金が大変いるということだけど、あなたは子分がいないからいらないわけ”との電話を受けた」と述べ、「兄の答弁は間違っている」と批判。ただ「(資金提供依頼は)兄が言ったのか、秘書が言ったのかは知らない」と強調した。
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