お久しぶりです。六年ぶりに風邪で体調を崩したナリです。知らない間に11100hitしてました。うう、遅くなってしまい申し訳ないです……
魔界・魔斬宮大門
「くっ、退け退けぇ!フウカ、すまない、後は任せた!」
魔斬激将カーミラの怒号が轟く。
「おう!忍部隊、死ぬ気でかかれ!ユーリ、アスラ様の警護を怠るなよ!」
漆黒の忍衣装に身を包んだ魔斬忍頭フウカとその部下達が懸命に戦いを挑む。
「心得ております。アスラ様、こちらへ」
隷魔メイド長ユーリ以下隷魔メイド隊がアスラを守るように取り囲みながら魔斬宮の外へと駆けていく。目指すは異界の門。この世界と人間界を繋ぐ扉。
「カーミラ、状況を知らせるのよん」
いつも余裕を崩さないアスラが珍しく焦ったような声を上げる。無理も無い。突如として異世界からの侵略を受けたのだから。
「……魔斬宮近衛部隊並びに守衛隊が奴らに下った模様です。奴らは奇妙な泥状の物体で我らの仲間を自らの下僕へと変化させているようです」
「カーミラ!」
「フウカ、無事だったか。忍部隊の兵力は?」
「駄目だ。殆ど奴らに持ってかれちまった。畜生め!」
「フウカ様、お気を確かに。まもなく異界の門へと入ります故」
「あ、あぁ、わかった」
「しかしアスラ様、何所へ撤退なさるので?」
「人間界よん。悔しいけれど、彼女達に頼るしかなさそうねん。そう、魔導少女隊に」
***
「どろたぼうさま、やつらはべつのせかいへとにげだしたようです」
黒い肌を怪しく光らせながら、少女が一人、本来ならアスラが座っているはずの玉座に腰掛ける少女に跪く。
「ふ〜ん、あの人達も別次元に行けるんだぁ。まっ、僕たちのは偶然発見したものだけどね」
玉座に座るツインテールの少女は跪いている少女の顎を爪先で持ち上げる。
「あは、じゃあ今度はこっちの世界の人間を下僕にしちゃおっか。ね、ライ」
無邪気な主の笑顔に、ライと呼ばれた少女は深く頷いた……
続
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