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ニイウスコー元会長ら2人を逮捕 粉飾決算の疑い
三菱東京UFJ銀行のシステム統合業務にかかわり、東証1部上場だったシステム開発会社「ニイウスコー」(東京都中央区、民事再生手続き中)が架空の売り上げを計上し、虚偽の有価証券報告書を提出していたとして、横浜地検と証券取引等監視委員会は11日、証券取引法(現金融商品取引法)違反容疑で、同社の元会長、末貞郁夫容疑者(62)=横浜市青葉区=と元副会長、大村紘一容疑者(68)=神奈川県藤沢市=を逮捕した。
地検によると、2人は平成18年9月、18年6月期の決算で、商品を動かさずに伝票上だけで売買したことにする「循環取引」などを行い、売上高約772億円、経常利益約57億円と記載した虚偽の有価証券報告書を提出した疑いが持たれている。同期の実際の決算は売上高が約643億円、経常損失が約5億円だった。
また2人は19年8月、株券の募集で、虚偽の有価証券報告書を参照するよう記載した有価証券届出書を提出した疑いが持たれている。
同社は、15年6月期〜19年6月期の売り上げに計682億円の不正な取引があったことをすでに公表している。末貞容疑者は産経新聞の取材に対し、「粉飾を指示していない。調査委員会が出した粉飾額も根拠が分からない。現在の経営陣が私をおとしめようとしている」などと容疑を否認していた。
同社はシステムの開発と販売を目的に日本IBMと野村総合研究所の金融システム部門が中心になって4年に設立。14年4月に東証2部へ上場、15年6月に1部銘柄となった。19年6月期決算で約40億円の債務超過に陥り同年秋、経営陣らが退陣した。20年4月に民事再生法の適用を申請し、不正な取引があったことを公表。同6月に上場廃止となった。