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500円タクシーの運賃継続申請、認めず 近畿運輸局(1/2ページ)

2010年2月10日15時1分

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 近畿運輸局が、大阪市と堺市の初乗り500円の「ワンコインタクシー」2社に対して、申請された運賃を認めず、実質的に値上げを求める方針を決めたことが分かった。10日午後に2社に通知する。法人タクシーの運賃が申請通り認められないのは全国で初めて。ワンコインタクシーについては、同運輸局が個人タクシー8人の継続を認めない決定をしており、今後、タクシー運賃の底上げが一気に進む可能性が高い。

 2社は新金岡交通(堺市北区、41台)とワンコインタクシー敷津(大阪市浪速区、36台)。近畿運輸局は新金岡交通に対し、書類上の運送収入が実際と異なっていたとして申請を却下。同社は、大阪市とその周辺地域において、審査を受けなくても認可が下りる「自動認可運賃」(640〜660円)への値上げを余儀なくされる見通しだ。

 ワンコインタクシー敷津に対しては、収支が釣り合う初乗り運賃は590円が妥当という判断を下した。運輸局によると同社は、運転手の増員に伴い人件費などのコストが膨らんでおり、初乗り500円では適正な利潤が生まれず、将来的に安全のためなどの投資ができない恐れがあると判断したとみられる。

 初乗り運賃の設定は、2002年の改正道路運送法の施行に伴い大幅に自由化されたが、タクシー台数が急増し、タクシー事業者の収益悪化や運転手の賃金低下、長時間労働による事故の多発などの問題を招いた。そのため、09年10月に施行された「タクシー適正化・活性化特別措置法」で運賃の審査基準を強化。地域ごとに決められた自動認可運賃の下限(大阪市などでは640円)を割り込んでいる場合、各地方運輸局は1年ごとの運賃認可の際に、人件費や燃料費などを記載した原価計算書などをもとに、「適正な利潤」が出せる運賃設定かどうか審査している。

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