万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

貿易相手国の雇用にも配慮した日本企業

2010-02-12 14:32:26 | 国際経済
米4州知事がトヨタ擁護 議会に書簡「批判は不公平」(朝日新聞) - goo ニュース
 トヨタに対する非難の嵐がおさまらぬなか、トヨタ社の工場があるアメリカの4州の知事が、トヨタ擁護の書簡を議会に送ったと報じられています。

 80年代以降、ジャパン・バッシングを回避するために、日本企業は、貿易相手国の国内に工場を建設するともに、ローカル・コンテンツ法を遵守して、現地での部品調達に努めてきました。ジャパン・バッシングが収束に向かったのも、政府間のプラザ合意のみならず、日本企業が貿易相手国の雇用に配慮し、相互利益を追求したことにもよります。アメリカの州知事の方々の擁護も、この努力の現れとも言えましょう。

 一方、80年代の我が国と同様に、現在、貿易摩擦を起こしている中国は、日本企業と同様の行動をとることができるのでしょうか。答えは、NOなのではないかと思うのです。何故ならば、”世界の工場”として、”世界の雇用”を飲み込むことが、中国の経済成長の原動力であるからです。中国が震源地である現在の国際貿易の不均衡問題は、80年代の日本国の場合より、深刻なのではないかと思うのです。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2010-02-12 19:54:53
 今度のトヨタ騒動で、日本の弱点がよく分かった。ソフトウェアに弱いね。高級車ほど、エンジンもミッションもブレーキも電子制御をしているわけだ。
 ソフトウェアの業界は女工哀史の世界なのだろうか?
 ま、油圧式のブレーキの車、できれば、マニュアル車がよいね。なかなかないけど。
 三菱と同じぐらいのリコールしたけど、三菱だけがマスコミに叩かれた。こんなマスコミも日本の弱点だろう。殿通の支配力でマスコミを操っていたわけだ。しかも、行政も癒着して。
 トヨタが倒産すると、日本人の製造業神話が崩壊し、かえって、日本経済は甦ると言う説もある。それで、政府は放っているのだろうか?
 ま、命と健康に関わる産業が時代のリーディング産業だろう。
プラザ合意が“相互利益を追求したこと”????中国朝貢使節の自民党が、米国朝貢使節にもなって米国の利益だけを追求したのがプラザ合意です。 (higasitoyokazuラブ)
2010-02-13 02:57:27

>政府間のプラザ合意のみならず、日本企業が貿易相手国の雇用に配慮し、相互利益を追求したことにもよります。

ニホンの自動車産業を救うために、主に米国の利益だけを追求したのでしょ。
レーガン大統領時代のプラザ合意など、日本を標的にした戦略が打ち出されたことを“相互利益を追求したこと”????

プラザ合意以降、急激な円高で日本の生命保険会社は莫大な為替差損を抱え込んだのですよ。
つまり、自動車産業を支えるために日本の生命保険会社などを犠牲にしたのです。(ニホン国民を犠牲にしたことは当然です。)
日本の生命保険会社などのお金が掠め取れ、米国で米国人を雇わせて、自動車をつくらすだけでなく、ニホンに技術を搾取し、米国の会社で部品をつくらせたのです。当然収束に向かいます。
それだけではありません。
基軸通貨のドルを安定させるために、円高阻止にドル買い介入して、巨額の米国国債の保有を増やし、1円円高になるたびに約5500億円ものニホン国民の富を失うというのがプラザ体制なのですから、プラザ合意後、ニホンは大損したのです。中国朝貢使節の自民党が、米国朝貢使節にもなって、ニホンの富を米国に差し出せば当然収束に向かいます。

プラザ合意・新通商政策・米構造協議などで、ニホンという国家の存立の根幹を揺るがすような致命的な戦略を米国が立案してきたものを
中国朝貢使節の自民党が、米国朝貢使節にもなって、ほぼそのまま受け入れたのですから、ノンポリの自民党支持者なら「相互利益を追求した」と胸を張るしかないのかもしれまんが。

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