Dogma and prejudice

媚中派も媚米派も同じ穴のムジナ
従属主義的思考から脱却すべし
(言っとくけど、「媚米」と「親米」は違うんだよ)

「新日鉄社長の苦悩」&参院の「郵政民営化推進議員」に対する落選運動を提案します。

2007-06-22 | 構造改革
 日本が誇る優良企業、新日本製鉄。NHKスペシャル「敵対的買収を防げ!」によると、、その新日鉄社長・三村明夫氏が、業界一位のアルセロール・ミタル社からの敵対的買収を恐れて、アタフタと走り回っているとか。

 アルセロール・ミタル社の株式時価総額は約八兆五千億円。くらべて新日鉄のそれは五兆四千億円。二倍に近い。新日鉄OBによると、「ウチが買収を仕掛けられれば、ひとたまりもない」ということなのです。

 新日鉄は種々の技術特許を持っています。その数、一千三十八。くらべてミタルは、たったの三十八。業界一位でありながら、ミタルの技術力は、新日鉄に遠く及びません。しかし、ミタルに買収されれば、新日鉄の労使が汗水垂らして開発したこの千を超える技術特許のすべてが、ミタルに奪われることになります。

 新日鉄のような地道に技術開発を続けてきた企業が、ミタルのようなマネーゲームのみでのし上がってきた企業に簡単に飲み込まれるネオリベ流の社会が正しいとは、私には到底思えません。

 ご他聞にもれず、ミタルの背後にも世界的な巨大ファンドが存在し、彼らがミタルに資金を提供しています。ミタルの株価が上がれば、ヘッジファンドは巨利を得るわけです。

 前首相・小泉純一郎、竹中平蔵(元経財相)、宮内義彦の三人は、マスコミに「改革の旗手」として持て囃されましたが、日本企業を国際金融機関の生贄に捧げることが彼らのいう「改革」の実態だったようです。「改革」の結果、マネーゲームの闘技場に、素っ裸で投げ出された日本企業は、凶暴な国際金融機関を前に逃げ回るのみです。

 一九九四年の日米構造協議は、クリントン・宮澤(喜一)の密談で決まり、アメリカはこれを、日本に施す「外科手術」と称したそうですが、日本国をアメリカにとって都合のいい国に変えようとする改造手術は、もう十年以上も前から続いているのです。

 自由化された三角合併は、「外科手術」の総仕上げとなることでしょう。日本の富と力の源泉ともいうべき日本の優良企業群が、すべて国際金融機関の手に落ちれば、そこで、ゲームセットです。

 そうなれば、日本の富は、外資系企業となった元日本企業から、国際金融機関へと流れ込み、大部分の日本国民は薄給で働かされるだけで、その富の恩恵に浴すことはなくなります。

 そうならないためには、「小泉純一郎とその仲間たち」のような媚米派政治家たちに痛撃を与えるしかありません。

 さしあたっては、山本一太や枡添要一のような参院の「郵政民営化推進議員」に対する落選運動を提案します。

(参考)
「三角合併」解禁の裏にあるもの=堤堯(ジャーナリスト)


「三角合併」解禁は日本に施す「外科手術」の総仕上げだ。
大手外資にとっては、待ちに待った時がやって来た
 この五月から三角合併が解禁された。株式交換で会社の合併・買収を可能にする。現金は要らない。株式時価総額の差がモノをいう。
 過日、NHKスペシャル「敵対的買収を防げ!」を見た。番組は三角合併の恐怖に慄く新日本製鉄社長・三村明夫の動きを追った。日本を代表する企業のトップが、哀れアタフタと走り回っている。
 三村がひたすら恐れるのは、インド人ラクシュミ・ミタルが率いるアルセロール・ミタル社(本社・ルクセンブルク)だ。もとはといえばミタル社(本社・オランダ)は、インドネシアの製鉄会社だった。これが株式交換によるM&A(企業買収)を繰り返して業界世界一位となった。
 そして昨年七月、世界第二位のアルセロール社(本社・フランス)を株式交換の手法で合併し、アルセロール・ミタル社となった。いまやその株式時価総額は約八兆五千億円。くらべて新日鉄のそれは五兆四千億円。二倍に近い。昨年七月、ひそかにミタルが来日した。知人の新日鉄OBに訊いてみた。
「お次は新日鉄かと大騒ぎですよ。ウチが買収を仕掛けられれば、ひとたまりもない。大変なことになりました」
 事実、NHKの番組によれば、新日鉄社内に設けた対策チームのレポートは結論する。
「これを防ぐ手段はない」
新日鉄は自動車鋼板の技術をアルセロール社に提供していた。これが何よりミタルの狙いだ。合併成ったいま、この技術の使用を世界規模で認めよ、いやそれはできない――ミタルと三村の交渉は、目下、この一点に絞られる。
 あくまでこれを拒めば、三角合併に出て来るのではないか、それが三村の心配だ。コトは日本の自動車産業の下請け・孫請け・曾孫請け、さらに余波は金融機関にすらおよぶ。
 来日したミタルは日本の自動車会社をひそかに歴訪したらしい。外堀を埋めていく作戦だろう。新日鉄が自動車鋼板の技術の使用を世界規模で認めれば、わが社はもっと安く鋼板を提供できる……。
 新日鉄は種々の技術特許を持つ。その数、一千三十八。くらべてミタルは、たったの三十八だ。汗水垂らして開発した独自の技術ごと、ミタルに奪われる。
 ミタルは業界二位のアルセロール社を買収したあと、オランダやメキシコの製鉄会社も手中に収めた。現在業界二位の新日鉄を併呑すれば、世界の製鉄業界はミタルの寡占体制となる。国際間に独占禁止法はない。ミタルのやりたい放題となる。ミタルの株式時価総額が上がるわけだ。
 ミタルの背後に世界的な巨大ファンドが存在する。ミタルに資金を提供し、ミタルの株価が上がれば、ヘッジファンドは巨利を得る。要はマネーゲームだ。ミタルは世界規模のホリエモンと思えばよい。
 番組は触れていないが、最大のスポンサーは、ビルダーバーグ会議に集う大手外資と見られている。オランダで始められたこの会議は、通常年に一度、開催地を変えて欧米のセレブを集める。ロスチャイルド、ロックフェラーはもとより、アメリカ最大手の投資会社ゴールドマン・サックスや同じく最大手の証券会社モルガン・スタンレーのボスたち、パパ・ブッシュ(米元大統領)を始め各国首脳……欧米の政財界の「奥の院」だ。オランダのベアトリックス女王が主宰する。彼女はイギリスのエリザベス女王を凌ぐ資産家だ。
 かの日本長期信用銀行を買い占めたリップルウッドのティモシー・コリンズは、この会議の理事だ。コリンズを理事に引き立てたのは、常務理事のバーノン・ジョーダンで、彼はアメリカ政財界のフィクサーと目される。黒人弁護士で、三十を超える企業の顧問をつとめる。クリントンのセックス・スキャンダルをモミ消したことで名高い。
元総理がなぜ?
 つまり長銀買収の背後にジョーダン、さらには欧米の政財界がいた。
 長銀および背後のコリンズと戦った男にイ・アイ・イ社の高橋治則がいる。高橋はリゾート王の名を欲しいままにした。ところが突如、長銀から債務返済を迫られ、事業のほとんどを失った。高橋はいった。
「欧米の金融資本が、官民合同の連合艦隊を組んで、日本に押し寄せている。これから日本はいいようにやられますよ」
 その後、高橋は長銀あらため新生銀行と裁判闘争に転じ、コリンズは二百数十億円を高橋に支払った。
「リップルウッドからカネをふんだくったのは、世界広しといえどもオレ一人だろうなあ」
 笑った高橋は五十九歳で死んだ。不審な死と見られた。
「ベトナムの石油に手を出したのが拙かったかな」
 と洩らしてもいた。つまりはミタルの背後に欧米の連合艦隊がいる。これが、三村が相手にする真の敵だ。
 コトは製鉄に限らない。三角合併は日本を強姦して下さいといわんばかりの新法だ。会社法改正どころか改悪だ。規制緩和の名のもと、これを推進したのは前首相・小泉純一郎、竹中平蔵(元経財相)、宮内義彦(元規制緩和推進委員会座長)のトリオだ。アメリカ大手資本の要求に応じた。
『文藝春秋』(二〇〇七年六月号)に、面白い記事が出ている。上杉隆「小泉純一郎『住所不定・元総理』追跡記」だ。某夜、小泉は四谷の料理屋で三時間を過ごした。
 ―― 小泉の後から店を出て来たのは、テレビで見覚えがある細身の外国人と、「局長さん」と呼ばれる男性である。この夜の会合の相手は、モルガン・スタンレー証券のチーフ・エコノミスト、ロバート・フェルドマン。もう一人は官僚か。フェルドマンといえば、竹中平蔵と関係が深く、小泉改革を支持してきた外資系エコノミストである……。
 日本の前首相がアメリカ最大手の証券会社モルガン・スタンレーのチーフと、三時間もかけて何を話し合ったのか。何事かを暗示する一場面ではある。
 アメリカにカーライル社というのがある。パパ・ブッシュが最高顧問をつとめた。投資会社だが、傘下にハリバートン社やハイテク兵器会社を抱える。かつて前者は副大統領チェイニーがCEO(最高経営責任者)をつとめ、後者は前国防長官ラムズフェルドが役員をつとめた。
 ハリバートン社はイラクの石油採掘に関わり、一万人を超える社員を派遣している。兵士の食糧や戦争に絡む備品の輸送等も請け負い、要は戦争ビジネスを多角的に展開している。すなわちカーライル社はブッシュ・ファミリーの事業の中核だ。知人の某大手銀行の幹部から聞いたことがある。
「小泉純一郎の弟って、カーライル社の日本支社長なんですってね」
 真偽のほどは知らない。本当だとすれば、これまた実に何事かを暗示する。イラク派兵も合点がいく。筆者が現役編集長なら、練達のライターを動かすところだ。嘘なら嘘で気が晴れる。
日本の「外科手術」
 小泉カイカクはアメリカのいうがまま、マネーゲームの闘技場に、日本企業を素っ裸で投げ出した。何のフェイルセーフ(安全対策)もない。結果、日本はひたすらビクビク、ソワソワする国となった。三村明夫が好例だ。
 なのに先のトリオは「改革の旗手」として持て囃された。同じく「改革利権」に踊ったのがホリエモン(堀江貴文被告)であり村上世彰(被告)だ。二人は臭いメシを食う羽目となった。検察の「良識」というべきか。しかしその検察も、「改革利権」を漁った梟雄・宮内義彦に手がおよばない。これを突つけば、竹中平蔵、引いては小泉に累がおよぶ? 
 一九九四年の日米構造協議は、クリントン・宮澤(喜一)の密談で決まった。アメリカはこれを、日本に施す「外科手術」と称した。以来、グローバリズムの名のもと、アメリカの意向をそのままに、日本の諸カイカクは展開された。郵政カイカクもその表れ。アメリカは郵貯・簡保三百四十兆円を狙う。法案が参院で否決されたおり、ウォール・ストリート・ジャーナルは書いた。
「これで三兆ドルはお預けとなった。しかし小泉は頑張るだろう」
 小泉は衆院の解散に打って出て、ホリエモンを旗頭に刺客選挙を展開した。生き残った反対議員を除名までした。メディアはこれを「非情・果断の措置」と褒め上げた。
 自由化された三角合併は、「外科手術」の総仕上げだ。欧米の大手資本にすれば、待ちに待った時が来た。日本買い叩きが横行するだろう。
 三角合併を危惧した議員が二人いる。小林興起と小泉龍司だ。三角合併が一年延期されたのは、二人の必死の画策による。折角の一年の猶予を無駄にした。二人は共に先の選挙で追放された。木の葉が沈んで石が浮く、無理が通れば道理が引っ込むとは、このことだ。(文中敬称略)
リベラルタイム七月号「永田町仄聞録」



「改革
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2 コメント

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山本一太 (ろろ)
2007-06-22 23:26:37
  安倍さんの子分が群がっている再チャレンジ議連のマスコット的存在ですね。是非落としてやりたいところです。
Re:山本一太 (上田真司)
2007-06-23 08:19:24
ろろさん、コメントありがとうございます。

> 安倍さんの子分が群がっている再チャレンジ議連のマスコット的存在ですね。 

マスコットですか。ずいぶんキモいマスコットですね。(笑)
小泉、安倍という異なったタイプのボスに対して、茶坊主を続けられるというのは、政治理念というものがないからなんだろうな・・・とこの人を見て思います。

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