金正日総書記「軍事力だけが人民生活を担保」
朝鮮労働党機関紙の労働新聞によると、金総書記は参観当時、「敵がわれわれをどうにかしようと機会を狙っているなかで、人民生活を向上させ経済強国を建設しようとしても、屈強な軍事力の担保がなくてはならない」とし、先軍の威力で大高潮を起こそうというのが自身の意図だと述べたという。また、侵略のやからが横行する今日、軍力が弱ければ経済建設も人民生活の向上も号令だけに終わるしかないため、年初にも戦車師団を訪れたと明らかにしたと伝えた。
朝鮮中央テレビは5日に金総書記の訓練参観を報じ、韓国の地形を縮小した訓練場で、北朝鮮軍の戦車が、「中央高速道路 春川〜釜山374キロメートル」」「湖南高速道路」「釜山」などと書かれた標識の間を走るようすを撮影した写真を公開している。
労働新聞は、先月中旬に金総書記が参観した陸海空軍合同訓練についても触れ、「どのような力で、一息に経済強国に上り詰めなければならないかに対する答え」だと言及。「陸海空軍精鋭武力が敵陣を火の海とするせん滅戦は、先軍の威力で強盛大国をもたらす金総書記の鉄の信念の爆発」だと主張した。
さらに、軽工業と農業活性化のカギも人民生活向上の根本源泉も先軍にあるとし、「銃床からコメも電気も布も機械も降って出てくるのだと、われわれはためらいなく宣言する」と述べている。
労働新聞のこうした論調は、新年共同社説で経済発展と住民生活向上を最優先課題に掲げながら「軍事第一主義」に後退したわけではないという姿勢を示したものと受け止められる。