「首相は平成の脱税王」自民・与謝野氏が批判
衆院予算委員会は12日、鳩山首相と主要閣僚が出席し、「鳩山内閣の政治姿勢」をテーマに集中審議を行った。自民党の与謝野馨・元財務相は、首相の偽装献金事件を取り上げ、資金提供は贈与税逃れの疑いがあるとして、首相を「平成の脱税王」などと批判し、辞任を求めた。
◆「子分に配るカネ」◆
首相は、実母からの資金提供は一切知らなかったというこれまでの説明を繰り返した。
集中審議は、自民党など野党の求めに応じて開かれ、民主、国民新両党の後、与謝野氏が野党として最初に質問に立った。首相の実弟である鳩山邦夫・元総務相(自民党)が与謝野氏に対し、「うちの兄貴はしょっちゅう母のところに行って、子分に配るカネが必要だと(言って)おカネをもらっていた」と語ったことを紹介し、首相に事実関係をただした。
◆「作り話」と首相反論◆
首相は「作り話だ。兄弟と言っても信じられない」と語気を強めて反論し、「母に尋ねていただいても結構だ。私は母に対し、そのようなカネの無心、『子分に配るカネをくれ』なんて言うわけがない」と否定した。民主党議員への資金提供についても、「配った事実はない」と強調した。興奮して時折、言葉を詰まらせる首相に、「冷静に、冷静に」という声が飛んだ。
首相はまた、母親からの資金提供を知ったのは、昨年6月に新聞報道があった後であることも改めて説明した。1月21日の衆院予算委で、実母からの資金提供を知らなかったとしていることについて、首相は「違う事実が出てきたらバッジをつけている資格はない」と述べ、議員辞職する考えを明らかにしている。
与謝野氏が、首相への資金提供に関する税務調査を求めたのに対し、菅財務相は「個別案件で私が(国税庁に)ああしろこうしろというのは適切ではない」と述べた。与謝野氏は「もう首相をやっている資格はない」としたうえで、偽装献金事件にかかわって起訴された首相の元秘書ら関係者の証人喚問を求めた。
◆邦夫氏「母に聞いた」◆
邦夫氏は与謝野氏の質問を受けて、都内で記者団に、「1年半から2年ほど前、母と電話で話をしている時に、『お兄さんは、子分を養うためにお金がいる、と(言っている)。あなたは子分がいないからいらないの?』と言われた。それを与謝野馨という政治家に言ったのも事実だ」と語った。
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