診断後の気持ちの変化(その4)
アスペルガーの診断後から、いろいろな情報を集めました。
その結果、ものすごく落ち込んでしまいました。
しかし、悪いことばかりではありませんでした。
やみくもに情報を集めすぎて、"今の自分"に必要な情報に絞り込めず、消化不良をおこしたんですね
落ち込んでから、そのことに気が付いて、"今の自分"に必要な情報に絞ることにしました。
そこで、自分が受容れやすい内容の"本"を探しました。
なぜ、ネット上の情報ではなく、"本"にこだわったのか。
書籍として出版されているということは、
編集者やいろいろな人のチェックを通過しています。
つまり、
・ある程度、世間の支持を得られる内容(私見に偏りすぎていない)
・情報ソースが不明ないい加減な情報は少ない
ということです。
そして、"アスペルガー症候群の先人の知恵"を得たいなら、
やはり、当事者が書いたもの本を探すのがよいと考えました。
多くの本から、絞り込むのにはAmazonのレビューがとても参考になりました。
絞り込んだ上で、近くの書店で内容を確認してから買いました。
そうして出会ったのが、この本です。
『自閉症の才能開発
-自閉症と天才をつなぐ環-』
テンプル・グランディン / 著
実は、以前のブログで紹介した本、
『自閉症スペクトラム障害のある人が才能をいかすための人間関係10のルール』
で、自閉症当事者の声として、テンプル・グランディンさんが書いておられました。
(もう一人、ショーンさんもいるのですが。)
それを読んだときに、
「テンプルさん、私と似てる!しかも、すばらしい論理的思考力!」
と、驚きました。
『自閉症~(略)~10のルール』は、読んで落ち込んでしまったけれど、
テンプルさんに出会えたことは、その後の大きな活路を見出すきっかけとなりました。
何事もムダにはなりませんね。
で…
「テンプルさん!師匠と呼ばせてください!」
勝手に、私の"心の師匠"にしてしまいました
そうして、『自閉症の才能開発』を読みはじめました。
テンプルさん自身の体験を通じて、
自分の能力を発揮するためには何を優先して考えるべきか、
自閉症独特の感覚過敏とそれへの対応の重要性、
社会に適応するためにした工夫や、
定型発達の人を理解するための発想の転換方法など、
論理的、かつ、とてもわかりやすく書かれていました。
普通は、まじめな文字中心の文章は理解しづらいのですが
高機能自閉症やあすぺさんの書いた文章は、
内容を頭の中でイメージしやすく、理解が進みます。
そして、なによりも心に残ったのは、次の一節でした。
「もし、指をパチンと鳴らしさえすれば、自閉症が消えるとしても、私はそうはしない。
なぜなら、自閉症は私をつくっている一部だから。」
この言葉を、さらに、このように解説しています
「私は、視覚を通して考える能力を失いたくない。
私は偉大な自閉症連続体に即して自分の位置を見いだしたのだから。」
---
私も考えました。
もし、将来、医療技術が発達して、
アスペルガー症候群を治せる時代になって
定型発達になれるとしても、
"視覚的な思考能力"も、
"論理的な思考能力"も、
"並外れた集中力"も、
失ってしまうのであれば、どうだろう?
私は、迷わず、
「アスペルガー症候群であること」
を選びます。
私にとって、
『アスペルガー症候群』は、
『障害』ではなく、
何ものにも替え難い大切な『才能』だから。
そんな結論がでました。
次回は、ブログ開始を決めるまでのお話です。
本日の参考図書
- 自閉症の才能開発―自閉症と天才をつなぐ環/テンプル グランディン
- ¥2,625
- Amazon.co.jp
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