中堅ゼネコンの「福田組」(新潟市)が関東信越国税局の税務調査を受け、2007年12月期までの4年間に約5億円の所得隠しを指摘されていたことが分かった。外注費を水増しする方法で裏金をつくり、マンション建設用地買収の際の地元対策費に充てていたという。重加算税を含む追徴税額は約2億円に上るとみられる。
同社は「国税当局の指摘に従い、すでに修正申告し、納税した」と話している。
関係者によると、同社はマンション需要が高まっていた当時、東京のマンション開発会社から首都圏でマンション建設工事を受注。用地の買収も担ったが、福田組は、下請け業者への外注費を水増しして裏金をつくり、建設に反対する地元関係者らに払う対策費に充てていたという。
国税局は、水増し分は経費としての計上が認められないと判断。仮装・隠蔽(いんぺい)行為があったとして、約5億円の所得隠しを指摘したという。
福田組は新潟県内で「御三家」と言われるゼネコン。民主党の小沢一郎幹事長の妻は同社創業者一族の出身で、現在も同社の大株主の一人。