栃木県下野市、最寄り駅の名前にもなっている自治医科大学病院から少し離れたところに「薬師寺幼稚園」はあります。田園が広がる風景の中に、大きな園舎の屋根と広い園庭が見えてきました。薬師寺幼稚園のみんなは、しっかりと手洗いとうがいができているかな? さっそく取材をスタートしたいと思います!
「薬師寺幼稚園では自然とのふれあいを大切にしているため、手洗いをする機会がよその幼稚園よりも頻繁ですね」とおっしゃるのは園長の内木秀雄さん。園庭や畑での活動、そして園が所有する動物園や近隣の里山など、野外で元気いっぱいに羽を伸ばす薬師寺幼稚園の子どもたちには、いっそう念入りな手洗いとうがいが必要です。そこで、自分の健康を守るのは自分しかいないこと、「自分のための手洗いとうがい」を意識するようになってほしいと考えたのが、ラリーに参加したきっかけだそうです。
幼稚園でまず目をひかれたのが、とっても大きな園庭。さまざまな遊具のほか小高い築山まであります。保育園まで含めると400人近くの子どもたちが活動する薬師寺幼稚園ですが、これほど広ければ窮屈さも感じませんね。「たとえ泥だらけになっても、それはたくさん遊んだ証です。バイ菌を完全に避けてしまうより、触ってもいいからしっかり洗おうという方針なのです」と、のびのびと走り回る子どもたちの様子に園長先生も目を細めます。
園庭での活動から戻ってきた子どもたちは、教室に入る前に手洗い場に並びます。ハンドソープの泡をたっぷり手にとって、指先から手首のあたりまでごしごし。さすが、毎日行っていることなので手慣れていますね。先生も「せっけんだと上手に泡立てられない子どももいたので、最初から泡が出るのは楽しいみたいです」とおっしゃいます。「洗いすぎちゃった!」というほど手洗いが大好きな薬師寺幼稚園の子どもたち。ハンドソープの中身をマスカットの香りがする種類に変えた時も、すぐに気づいたのだそうです。
ちょうど今日がラリーの最終日だった薬師寺幼稚園。年長さんの組では、台紙の10番の場所に貼る最後のシールを先生が用意しました。そして子どもたちの代表が前に出てペタリ。無事に最後のバイ菌を退治して、全員で「10番シール、ゲットだぜ!」のかけ声です。「ラリーは終わりですが、手洗いとうがいは終わりません。おうちでお父さんお母さんにも手の洗い方を教えてね」と先生が声をかけると、「はーい!」と大きな返事。これからも忘れずに続けてくださいね!
朝の集会で行われるのが「おててをアラウータンたいそう」です。映像のお手本や先生の動きをまねしながら、楽しそうに体を動かしていますね。まだ憶えたてということもあって、お隣同士でも動きを確認しながら今日の体操を終了!「できたかなあ?」「難しかったー」と、感想を話す表情にも充実感が見られます。「わかりやすい動きですぐに憶えられる体操だと思いますし、朝に体を動かすので集中力も高められますね」と先生。これからの手洗いにも活かしてください!
幼稚園の敷地のすぐ隣には、5頭のロバをはじめ、ヤギ、クジャク、ニワトリ、ウサギなどが飼育されている動物園があり、自由にふれあうことができます。「最初は怖がって少しも近づけなかった子どもも、だんだん慣れてきてエサをあげられるようになるんですよ」と先生。遠くから眺めるのでなく実際に触って観察することで、命の大切さや衛生に対する関心など多くのことを学べるのだといいます。
薬師寺幼稚園がある地域には、駅前に大きな大学病院があり、お父さんやお母さんなどが病院で働いている家庭も多いのだそうです。「このあたりは医療の町。そのため、もともと健康づくりや衛生に対する意識が高いんです」と園長先生。家庭からは、幼稚園の衛生への取り組みのほかラリーへの反応も大きく、シール貼りがよい意識づけになっているといった感想のほか、家でも幼稚園と同じハンドソープを使うように子どもに頼まれたという家庭もあったそうです。
あいさつや返事など、びっくりするほど元気な声が印象的だった薬師寺幼稚園の子どもたち。芝生の上で大声を出しながら遊んでいたみなさんも、流し場に並んでいる時は少し静かになって、真剣に手を洗っていましたね。ラリーは見事ゴールしましたが、今後も自分から進んで手洗いとうがいに取り組んでください。