萬年筆四方山話 その6 【 研究レポート 】
下記は、紙様からの投稿で、Pilot 823 と 戦前のパロット P式 の分解図じゃ。
これらを比べると、Pilot 823 が如何に優れているかがわかる。
ただし、良い子は絶対に真似をしないようにな。尻軸などは、通常修理や清掃でここまで分解する必要性は全くないのでな。
では、お楽しみ下され。画像はクリックすると拡大しますぞ!


今後も研究発表は続くようなので期待したい。 紙様、ありがとしゃん!
Posted by pelikan_1931 at 07:30│
Comments(8)│

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萬年筆紹介
パイロットのプランジャー式・弁の変遷
1、昭和8年〜 弁は、「エボナイト製・扁平リング型」
胴軸内に「ゴムチューブ」を貼り付けた。
オノトは「硬い」エボナイト・胴軸の中を
「柔らかい」ゴムが動くが、
パイロットは逆の発想・・
「柔らかい」筒の中を「硬い」弁が 動く。
「尾栓ユニット」は ネジ座とコルクのみ。
中芯は転子に 逆ネジで 取り付け。
2、昭和10年〜 今回のレポートで写真は無いが
「扁平リング型」のゴム弁。
ゴムの間に、麻を挟んだ「補強ゴム」
= レーン・フォースド・ラバー
が弁に使用されている。
単なる ゴムでは 耐久性に難ありと 考えた。
3、昭和12年頃〜 弁の形状を変えた。
「ラッパ型」=ラーメンどんぶり型。
高台は無い。
紙様。
有難うございました。
>パイロットも 不具合に 気付いたのでしょう。
パイロットが昭和12〜13年頃。「ラッパ形状」に改良していったということを知りませんでした。このあたりがプランジャー式の「キモ」だと認識しておりますのでたいへん勉強になりました。
しかも、823の「高台」+「ラッパ」が最新の進化形のようで・・・興味をそそります。では、では。
>823のラーメン丼ぶりはオノトのプランジャーの物と形状的に似ている・・
フラットな薄板リング状・・・これがかなり具合が悪い。<
弁の形状ですが「扁平なリング」状から オノトのような「ラッパ」状に 改良されてゆきます。昭和12〜13年頃。
パイロットも 不具合に 気付いたのでしょう。
中芯を引く時 →弁は「>」の形。→ 摩擦を減らし、空気を逃がす。
スムーズに 引ける。
押し込む時 →弁は「I」の形に変形。→ 胴内壁と弁を直角に・・・
弁が よれたり、ブレたり
しないように。
しっかり、減圧。
823の弁は 単なる「ラーメン丼ぶり」型では なくて
「高台」が付いています。 押し込む時 高台と弁台の凸部が 密着。
戦前の「ラッパ」状の弁より 更に 安定した減圧を 実現している。
こんにちは。
さすが!紙様。
詳細な研究報告には頭が下がります。
昔風に云うと・・・三歩下がって土下座でしょうか?
ところで、823のラーメン丼ぶりはオノトのプランジャーの物と形状的に似ていると想像しています。補修用の取り替えられた弁はフラットな薄板リング状が多いのですが、これがかなり具合が悪い。823の弁が使えれば都合が良いのですが・・・・そんなうまい話はないでしょうね。
素晴らしい の一言。感謝。
素晴らしい資料ですね、見ているだけでワクワクします。
あかん、買ってバラしたくなる悪い子です。
いつも思うのですが、60年も70年も前に作られた
ものがこんなにも複雑な構造をしていることに
驚きです。
A級保存版の資料ですね!
感謝感謝!