先日から産経ニュースで、シーシェパードの実態というのがシリーズで掲載されており、興味深く読んでいた。結構産経はシーシェパードを追いかけているようで、先日も今度はクロマグロ漁も妨害すると宣言したのを掲載したりして、いよいよシーシェパードは一体何がしたいのかわからなくなった。

そもそも彼らが捕鯨に反対しているのは、鯨はほ乳類で賢いからとか、そういう理由だったと思うのだが、いったいどういうわけでクロマグロを守ることになったのか、そのロジックを想像すると大変香ばしい感じがする。

今日のニュースでは、捕鯨船に向かってロケット弾を発射し、ついに傷害事件に発展した模様である。中味は爆薬ではなく、酪酸という物質らしい。とは言え、そこそこ堅いもの、おそらく瓶のようなものをロケット弾として打ち込むわけだから、人に直撃すれば死ぬ可能性もゼロではない。もちろん撃たれる側にとっては、何が飛んでくるのかわからないわけであるから、これが血の気の多い国だったら即捕鯨用銛で撃ち返されてもおかしくないレベルである。

酪酸というのがなんなのかわからなかったので、Wikipediaで調べたところ、要するにギンナンっぽい強烈な匂いを発する物質らしい。匂いで嫌がらせということなのだろうが、「危険性」という項目に、「皮膚や粘膜に対する腐食性があり、水生生物に有害。 ICSCでは「漏洩物処理」項目で、環境中への放出を禁じている。」とある。

皮膚に付いたらやばい物質であり、これをロケット弾でぶち込むわけだから、ただ臭い以上の被害が発生することは必至である。しかも水生生物に有害ということらしい。捕鯨船なのだから当然近くに鯨がいる可能性もあるわけで、そういうところでこういうものをぶっ放したら、鯨も死にかねない。

鯨を守るためなら人をも殺すし鯨も殺すとなると、もはやそもそもの目的はどうでも良くなっているのではないか。ある意味カルト宗教と同じ道のりである。つまりこれはもう、鯨を守るとかそういう問題ではなくなった、ということである。

もう民間の話し合いで解決するフェーズは終了し、政治的解決を求められること必至であろう。もしこれで政府がなにも動かなかったら、日本政府は日本国民を守る気がないという事になり、小沢問題も含めて民主党政権に対し、反感が強まることになるのではないか。日本政府は、難しいパズルを突きつけられた。

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