現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 国際
  4. ヨーロッパ
  5. 記事

「天使の歌声」にも時代の波 厳しさ不人気、志望者激減(2/2ページ)

2010年2月12日9時31分

印刷印刷用画面を開く

このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:歌声を披露するウィーン少年合唱団の団員たち=同合唱団提供歌声を披露するウィーン少年合唱団の団員たち=同合唱団提供

 合唱団は、親たちの強い要望に応え、9月からギムナジウムの上級校(9〜12年)の新設を決めた。定員は各学年25人。退団者を優先的に入学させ、残りは外部から選抜する。女子にも門戸を開く。

 一般課程のカリキュラムに加え、毎日2時間の声楽レッスン、音感を磨く耳のトレーニング、地元ウィーン音楽大学と連携した楽器演奏の授業などを設ける。学費は月340ユーロ(約4万1800円)。卒業試験に合格すれば、音大に入る際の実技試験が免除されるなど「特典」もある。

 6月に下級校を卒業するフロリアン君(13)は「将来は科学者か音楽家になりたいけど、今すぐ決められない。上級校ができれば合唱団の友達も大勢いるし、レッスンを受けながら進路をゆっくり考えられる」と喜ぶ。(ウィーン=玉川透)

     ◇

 〈ウィーン少年合唱団〉 1498年、ハプスブルク家出身の神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世が、ウィーンの宮廷で組織した変声期前の少年6人による少年聖歌隊が始まり。ハプスブルク家のオーストリア・ハンガリー帝国崩壊後の1924年、民間の少年合唱団に再編された。

 現在、10〜14歳の約100人が「シューベルト」「ハイドン」などかつて団員だった有名作曲家らの名を冠した四つのグループを編成。交代で2、3グループが約3カ月間におよぶ海外公演に出かけ、留守組が毎週日曜日、ウィーンの王宮礼拝堂のミサで聖歌隊として歌う伝統を守る。

 団員の9割がオーストリア出身だが、米国やカナダ、ドイツ、中国など各国から入団し、日本人も5人いる。

前ページ

  1. 1
  2. 2

次ページ

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内
  • 中国特集