
この頃、騒ぎになっている
プリウス問題ですが、マスメディアよりマシな解説をしているところをいくつか見つけました。
Embedded Software Manufactory
トヨタ、「プリウス」のリコールに関する記者会見(CarWatch)
どうやら、開発スケジュールがタイト過ぎてチューニングやテストに時間をかけられなかったっぽいです。別のところから聞くところによると、ホンダの
インサイトにぶつけるために開発スケジュール面でかなり無理していたらしい。加えて国産マイコンの高価で数が揃わない、そして出来の悪い開発環境では、当然関係者はデスマーチを極めたことでしょう。(ただ、車でまともに使えるマイコンの選択肢は少ないし)
さらに今日の読売朝刊では、日本のこの手の業界にありがちな、ハードとソフト、メカのセクショナリズムや歪んだ力関係で珍妙な設計になっているのだそうです。最後にダメ押しとして、科学技術への理解の乏しいマスコミによるバッシングが、トヨタをマスコミ的には情報隠しと思われるような行動に追い込んだと。なお、騒ぎの発端となったアメリカの人は意外と冷静な感じですから。
あと昔は派遣がらみでいろいろあったことを考えると、まさにこれ日本の組み込みソフト開発における問題のデパートですよね。
やはり、背景は技術者に対する蔑視と軽視の風潮の元である文系優位社会だったようです。
まあ、取りあえず日本の技術開発の現場のむちゃくちゃぶりが国際的に露見したわけで、この後どうなるか見ものです。
とりあえず、科学者や技術者の待遇問題に手をつけないで、人材レベルの低下というより崩壊を放置すれば、あらゆる物がマイコン制御される御時世、
"MADE IN JAPAN"が粗悪品のシンボルと見做される時が来るでしょう。
そりゃー違うと思う (スコア:1)
自らの「味」を定義できていないから無視すべき意見と聞き入れるべき意見の区別ができないんだよ。
だからトヨタは昔から数が多いド下手向けにチューンしてきた。
その結果の一つがこの「ABS作動中のフィードバックがなくなってブレーキがスカスカに感じられる」という現象で、結局の所ブレーキの効きが悪くなる原因をドライバーが知覚できないので単に効かなくなったように感じる。ABS作動を知覚できる状態なら運転者は「路面の状態が悪いので(ABSが作動して)効きが悪い」と納得できるから問題にはならないのだが。
#「制動回復に0.4秒もかかるABSなんぞ要らん」というのは別の話で。
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トヨタの官僚化。 (スコア:1)
奥田碩〜張富士夫〜渡辺捷昭がトップに就いていたおよそ14年間、拡大路線を突っ走ったトヨタですが、この辺りから下請けへの対応がおかしくなってきてるって話もね。「下請けにどれだけコストカットを呑ませるか」がトヨタ側の担当者の成績に直結するみたいな・・・中日新聞の連載は「トヨタの世界 [amazon.co.jp]」って単行本になってるので、機会があったらご一読どぞー :)
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文系対理系が好きだね (スコア:1, すばらしい洞察)
問題は、切り詰めてはいけないものまで切り詰めて、無視してはいけないものを無視してしまったこと。自分が最先端を走っていると思っているとき、過去から学ぶことを怠る。そして、過ちを繰り返す。毎度おなじみのパターンです。
#私もやらかしました。はい。
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