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【甘口辛口】2月9日

2010.2.9 05:00
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 テレビ中継の音声だけ聞いていたら亀田大毅の圧勝に思えたろう。7日のプロボクシングWBA世界フライ級タイトル戦。長男・興毅のWBC同級王座に続く兄弟世界王者誕生はご同慶の至りだが、試合そのものは大毅も王者デンカオセーン(タイ)が何度ももつれ合って倒れるなど、世界戦にしてはつまらなかった。

 大毅のパンチが当たってもいないのに「当たった、当たった」と大騒ぎするアナウンサーと偏った解説。大毅に勝ってもらいたい気持ちもわかるが、応援団ではないし、昔と違って視聴者の目も肥えている。大毅に足りないものは何なのか、もう少しニュートラルな実況ができないものか。

 それだけに「(大毅はクリンチで)5回もひっくり返ったが、踏ん張らないでわざと倒れている…。基本を勉強してもらいたい」というサンケイスポーツ評論家・矢尾板貞雄氏の辛口エールは“目からウロコ”だった。「なぜ勝てたのか。王者に2点の減点(ホールディング)があったから。そこで流れが変わっただけで胸を張れる内容ではなかった」と続いた。

 ついでに門外漢に言わせてもらえば、双方頭を付け合った状態で王者に対するレフェリーの減点が“なぜこのタイミングか”よくわからなかった。減点を取るなら取るで、サッカーのイエローカードのように「今度やったら減点するぞ」と、事前に大きなジェスチャーで予告しておかないと観客には不親切だ。

 それにしても最近はWBAもCも暫定と称する世界王者がフライ級はじめ何人もいて、誰が真の王者なのかわかりづらい。大毅も力をつけ、いずれは暫定王者との統一戦を戦ってすっきりと正規王者の真価を見せてもらいたいものだ。(今村忠)



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