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【さらば革命的世代】第4部キャンパスはいま(3)早大当局VS革マル派 元総長の12年戦争 (1/4ページ)
このニュースのトピックス:さらば革命的世代
合鍵までつくられた
「早稲田は自由の大学といわれていますが、実際にあったのは、革マル派にとっての自由だったのです」
早大の元総長で、現在は学事顧問を務める奥島孝康さん(70)は振り返る。革マル派に大学の実権が握られているという危機感を強くした奥島さんは平成6〜14年の任期中、彼らをキャンパスから追い出すことを最大の任務と位置づけていた。
早大では昭和40年代後半から、革マル派が各セクトとの抗争を制し、勢力を強めていた。自治会の主導権を握り、サークルの部屋が学外者も含めた活動家の拠点に使われるなど、約30年間にわたり大学が利用されていたとされる。
15万人以上の来場者を呼び「日本一の学園祭」といわれた早稲田祭の収入が革マル派の資金源になっているという疑惑もあった。公安関係者によると、サークル補助金の流用なども含めると、早大から革マル派に流れる資金の総額は年間2億円を超えていたという。
奥島さんは、革マル派の主導で行われていた学生大会でストライキ決議が可決されると、期末試験が中止になるという慣例を特に問題視していた。
「値上げもしていないのに値上げ反対のスト決議が可決されたこともあった。こんなことが長年続けば、教育は荒廃する。だが、以前の大学執行部は『学生を追い詰める必要はない』と及び腰だった」
革マル派は、中核派などとの激しい内ゲバで知られる過激派の一つ。警察無線すら傍受できる盗聴技術を持っているといわれる。その技術を駆使したのか、革マル派に批判的な姿勢を見せた早大関係者は次々と、金銭問題や女性問題などのスキャンダルを暴露された。アジトを捜索した警視庁が大量の合鍵を見つけたこともある。その中には、奥島さん宅の玄関ドアの鍵も含まれていたという。