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【さらば革命的世代】第4部キャンパスはいま(1)宙に浮いた億単位の学友会費 (1/4ページ)
同志社の赤ヘル
赤いヘルメットは「歴史資料」として保管されていた。京都市上京区にある同志社社史資料センター。創立者の新島襄の書簡や明治8年の開学以来の各種資料に交じり、学生運動の名残を示す古びた6個の赤いヘルメットが段ボール箱に納められていた。
同志社大には10年ほど前まで、ヘルメットをかぶって、学費値上げ反対や反戦デモをする学生がおり、そのころまでは学生会館にいくつかのヘルメットが無造作に置かれていた。
彼らは学生の自治組織「学友会」を拠点に活動していたものの、平成16年に解散している。これを受け、学生会館にあったヘルメットは処分される予定だったが、学友会関係者の要望で19年7月、一部が保存されることになったのだという。
学友会は各学部の自治会とサークルの代表で構成される学生組織で、毎年1億円にのぼる予算を抱えていた。授業料と同時に学生が支払う学友会費が主な資金源で、文化系や体育系などのサークル活動費もこの中から配分されていた。
同志社のようにノンセクトの全学自治組織が最近まで続いたのは珍しい。というのも、彼らが握る予算をめぐっては、「学生自治」の名のもと、セクト間の争いの種になることも多く、一般学生たちが運動から離れていく中で、特定のセクトに“乗っ取られる”ケースも少なくなかったからだ。
例えば、関西大(大阪府吹田市)では昭和44年ごろ、体育会学生が学友会予算を独占しようとしたことでトラブルになり、その後は活動を休止している。持ち主を失った多額の学友会費は宙に浮いたままとなり、大学側も取り扱いを決めかねていたという。
46年当時、約8000万円だった通帳残高は利子がついてふくれあがり、金額は約2億6000万円にまで増えた。大学側は結局、平成18年にこのお金を奨学金に繰り入れることにしたが、全共闘時代の懸案を清算するのに40年近く費やしたともいえる。
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