純金置物「偽物」とポイッ!レプリカは保管
「鯛生金山」の資料館から盗まれ、大分県日田市内の山中で発見された金の置物
Photo By 共同 |
大分県日田市中津江村の「鯛生(たいお)金山」の資料館から昨年12月、金貨などが盗まれた事件で、熊本県警は11日までに、別の窃盗事件で起訴された男2人の供述に基づき市内の山中を捜索、純金製の置物を発見した。置物は時価400万円相当の“お宝”だったが、2人は「盗んだ後、偽物だと思って捨てた」などと供述している。
熊本県警大津署によると、2人は住所不定、無職藤田亮(34)、鳥取県米子市の自営業工藤絋輔(28)の両被告。1月に熊本県内のスポーツ用品店からスノーボードなど約450点を盗んだとして逮捕、起訴されている。取り調べの中で、昨年12月に鯛生金山の資料館から金貨や置物などを盗んだことを話し始めたという。
供述に基づき同署は10日朝から21人態勢で日田市内の山中を捜索。がけ下にある雑木林の中から、金の置物を発見した。置物は布などにくるまれておらず裸のままだったが、幸いにも草が生い茂っており人目につかなかったようだ。投棄した時期は分かっていないが、苦労して盗み出したお宝を偽物と勘違いしてしまうドジな犯人に、捜査関係者は「こんな経験は初めてだよ」とあきれ顔。
同署によると、資料館から一緒に盗まれた金塊のレプリカ(2万円相当)は家宅捜索で押収。ほかに被害届が出ていた銀塊のレプリカや金貨8枚(50万円相当)について、藤田被告らは「貴金属店やネットオークションで売却した」と供述している。同署は近く、金貨などの被害分も含め、約450万円分の窃盗容疑で追送検する方針だ。
資料館によると、置物は滴をかたどった円すい形で高さ約20センチ、重さ約1キロ。スタッフは「無事だと聞いてホッとしている。最近の金メッキはよくできているので勘違いしたのかもしれないが、こちらにとっては不幸中の幸い。早く戻ってきてほしい」と心待ちにしている。同館では06年2月にも純金製のタイの置物(5000万円相当)が盗まれる被害に遭っている。その後、窃盗容疑で男が逮捕されたが、置物は金塊として売却されていた。
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