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【さらば革命的世代】第2部(8)シラケ世代の視線「生身の声を聞かせてほしい」 劇作家 鴻上尚史さん (2/3ページ)
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■年老いた両親
鴻上さんら全共闘よりもやや下は「シラケ世代」「新人類」とも呼ばれた。昭和47年のあさま山荘事件をきっかけに学生運動は下火になり、政治的な活動よりも、一種の個人主義に徹した世代である。その背景には、学生運動への失望感と一つの時代が終わった無力感もあったとされる。
同世代を代表する著名人には作家の村上龍さん(56)や元長野県知事の田中康夫さん(52)、コラムニストの泉麻人さん(52)らがいる。学生時代の70年代はニューミュージックのブームやブランド志向の芽生えもあり、若者の視線が政治よりもカルチャーへと移ったころでもあった。
当時のキャンパスに紛争の“残り香”はあったものの、結局はセクト間の内ゲバが繰り広げられただけ。学生の間には「学生運動は人殺しとかかわりかねないもの」というイメージすらあったという。
鴻上さんは「僕らの世代が彼ら全共闘への嫌悪感が一番強いかもしれません」と話すが、最近は考え方が少し変わってきた。
「全共闘世代の人を年老いた両親を見つめるような気持ちになってきた。人の寿命が200年あれば『まだ許せない』と思うでしょうが、彼らも年齢的に死を考える時期を迎えている。『あなた方はこのまま死んでいいんですか』と思うようになってきたんです」
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