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【さらば革命的世代】第2部(8)シラケ世代の視線「生身の声を聞かせてほしい」 劇作家 鴻上尚史さん (1/3ページ)
このニュースのトピックス:さらば革命的世代
■祭りの後
機動隊との衝突で意識を失った学生運動の闘士が30年ぶりに突然目覚め、現代の高校2年生として復学する−。全共闘をモチーフにした小説「僕たちの好きだった革命」を描いた劇作家の鴻上尚史さん(50)は団塊世代よりも10歳ほど年下。最初に全共闘を意識したのは高校時代だった。
「実際に運動が盛んだったころは小学生で記憶もあいまい。高校で学校側を批判する生徒に対して過剰反応する教師をみて、『これは学生運動の影響だな』と思ったのが、全共闘を考えるきっかけでした」
昭和50年代前半、愛媛の県立高校に通っていた鴻上さんは生徒会長。「柄付き靴下はなぜ禁止か。そんな話ですら教師たちはおびえ、怒っていた。田舎の高校だからたいした反乱もなかったのにね。若者たちにやりこめられた学園紛争時の記憶がよみがえったんでしょう」
時折組まれる雑誌の全共闘特集をむさぼり読むこともあったが、田舎の高校生が全盛期の雰囲気を感じ取れる資料は少なかった。早大に進学し演劇の世界に入ってからも、学生運動との直接のかかわりはなかったものの、大学当局が学生に強い警戒心を抱いているとは感じていたという。
「大隈講堂前で芝居のテントを張ろうとしただけで騒ぎになった。大学の管理がとにかく厳しくなっていた。大学生活という点では、祭りのあとのボロボロの状態でしたよ」
全共闘は後の大学生世代からみれば、はた迷惑な存在であり、鴻上さんは「おいしいところだけもっていった彼らは、時代の熱狂と自分たちの青春が偶然にも一致した幸福かつ不幸な世代だったとも思うんです」
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