陸上自衛隊の王城寺原演習場(宮城県)で10日から始まった陸自と米陸軍との共同訓練の開始式で、陸自側の代表として訓示した陸自第44普通科連隊長の中沢剛・1等陸佐が「同盟関係は『信頼してくれ』などという言葉で維持されるものではない」と発言していたことが、防衛省への取材で分かった。
鳩山由紀夫首相は昨年11月の日米首脳会談の際、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題への対応をめぐって、オバマ米大統領に「私を信頼してほしい」と伝えている。陸上幕僚監部広報室によると、中沢1佐は「鳩山総理を含め特定の政治家や政治家の発言を引用したり批判したりしようとしたわけでなく、訓練を通じて現場の信頼関係を築くことの重要性を説いたつもりだ」と説明しているという。
陸幕広報室によると、中沢1佐は共同訓練の開始式で、東アジア地域での日米同盟の重要性を指摘したうえで「同盟というものは、外交や政治的な美辞麗句で維持されるのではなく、まして『信頼してくれ』などという言葉だけで維持されるものではない」と述べたという。